
ロシアが米国のドナルド・トランプ大統領の発言を正面から反論し、不快感を示した。8日(現地時間)、トランプ大統領はトルコで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせてウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、「ウクライナがロシアの領土深くを攻撃することは戦争の拡大につながる一方、ロシアを交渉の場に引き出し、紛争終結を早める要因にもなり得る」と述べた。
これに関連してクレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は9日のブリーフィングで「トランプ大統領の発言は誤った判断であり、勘違いだ」と強く反発した。彼は、米国がロシアとの関係で再びエスカレーション路線に転じたとの見方について「そうとは考えていない」と述べる一方、「米政権やホワイトハウス内には、戦争の拡大や軍事的圧力によって平和的解決に導けるとの誤った認識がある」と強調した。続けて「緊張を高め、戦争の拡大に動くことは平和のプロセスに役立たない」と付け加えた。
また、トランプ大統領が米国製パトリオット・ミサイルのウクライナ国内でのライセンス生産を承認する方針を示したことについても、ロシアは不快感をあらわにした。トランプ大統領はゼレンスキー大統領との今回の会談で「我々はウクライナにパトリオットを作る権利を与え、作り方も教える」とし、「そうすればあなた(ゼレンスキー大統領)は米国が武器を十分に提供しないと不満を言えなくなる」と述べた。
これに先立ち、ゼレンスキー大統領は記者会見で自国に必要な米国製パトリオット・ミサイルの生産量が十分でなく、ウクライナがこのミサイルのライセンスを取得して直接生産できるよう米国を説得することをNATO加盟国に要請した。
ペスコフ報道官は「米国がウクライナに武器と軍事技術の供給を続けていることは明白だ」とし、「米国は欧州諸国とは異なり、戦争の平和的解決に貢献しようとする意志を維持している」と評価した。続けて「トランプ大統領がゼレンスキー大統領と会談した後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に電話すると言ったが、まだ両国首脳間の通話は行われていない」と付け加えた。
今回のロシアの反応は、トランプ大統領が「親ウクライナ路線」へ転じたとの見方が相次ぐ中、そうした見方をけん制する狙いがあるとの分析が出ている。実際にAP通信は「トランプ大統領はウクライナ戦争を終息するための合意に達しようとするゼレンスキー大統領の意志を称賛した」と伝えた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「昨年初めに2人の指導者が見せた激しい対立とは対照を成す」とし、「トランプ大統領が以前よりはるかにウクライナ寄りの姿勢を示していることがうかがえた」と評価した。
今年に入ってロシアに不利な戦況が続く中、プーチン大統領が9月からウクライナに対する攻撃を強化する可能性があるとの見方が出た。チェコのペトル・パヴェル大統領は9日、英テレグラフに「プーチン大統領が総選挙前に動員令を出すことはないだろうが、一旦選挙が終われば(ウクライナの)機会の窓は狭まることになる」と見込んだ。ロシアは9月20日に国家院(下院)の選挙を行う。

退役軍人でNATO軍事委員長出身のパヴェル大統領は、プーチン大統領が総選挙後、ロシアにウクライナ戦争拡大のための総動員令を宣言する可能性があると見込んでいる。彼は「ウクライナはロシアの総選挙まで残された2か月の間に、ロシアとの停戦交渉を再開すべきだ」とし、「NATOはロシアに強力な圧力をかけながらウクライナの防御を支援すべきだ」と訴えた。
続けて「ロシアの大衆がますます戦争に背を向けている。この傾向が続けばプーチン大統領は国内での平穏を維持するのに苦労するだろう」とし、「このような圧力が続く状況でウクライナがロシアの領土深くの目標を引き続き成功裏に攻撃すれば、ロシアが交渉により傾く環境が整う」と付け加えた。会合に同席した米国のマルコ・ルビオ国務長官も、ウクライナのロシア本土攻撃が戦況に変化をもたらしていると述べた。














コメント1
磯爺
ロシアは今も昔も大国の横柄さと上から目線で、戦争でも勝利を前提として振る舞ってきた。そして隣国へ侵略、略奪、虐殺を繰り返し不利になったとたん、援助国を批判する権利はないし滑稽で惨めでさえある。選挙後の総動員は終わりの始まりだろう。自国の歴史を振り返ってみるがよい。全く愚かとしか言いようがない。