
ヨーロッパを襲った記録的な猛暑により、「パルミジャーノ・レッジャーノ」として知られるイタリアの代表的なチーズの生産にも緊急事態が発生した。高温と干ばつにより乳牛の生乳生産量が減少し、飼料用の干し草の確保さえ困難になっているため、パスタやピザの価格にも影響を与える可能性があるとの懸念が出ている。
気候変動にエルニーニョ現象が重なり、チーズだけでなく米やコーヒー、ココアなど世界の主要農畜産物の生産基盤も揺らいでいる。
乳牛もぐったり…40度の猛暑でパルミジャーノ生産に懸念
15日(現地時間)インディペンデントとロイター通信などは、パルミジャーノ・レッジャーノの主要生産地であるイタリアのエミリア=ロマーニャ州一帯が最近、極度の暑さと水不足に苦しんでいると報じた。
パルミジャーノ・レッジャーノは、「パルメザンチーズ」の名でも広く知られ、指定されたイタリアの5つの地域でのみ製造できる。原料となる牛乳を生産する乳牛も、該当地域で栽培された草や干し草を食べなければならない。
しかし、猛暑と干ばつが長期化する中、乳牛の飼料として使用する干し草の生産から支障が生じている。現地の環境当局によると、先月は2003年以来2番目に気温が高かった6月として記録された。
この地域の主要水源であるポー川の流量も急激に減少した。先月末のポー川の1秒あたりの流量は、わずか2週間で約1,000㎥から300㎥以下に落ち込んだ。
パルミジャーノ・レッジャーノチーズ協会の会長、ニコラ・ベルティネッリ氏は「雨が降らなければ草は育たず、干し草を生産することができない」とし、「結局、チーズ生産に必要な牛乳も確保できなくなる」と述べた。
高温は生乳生産量にも直接的な影響を与える。気温が40度を超えると、乳牛が食べる飼料の量が減少し、その結果、生乳生産量も最大10%減少する可能性があると伝えられている。
チーズを作り、保管するためにかかる費用も高騰している。熟成過程で一定の温度と湿度を維持しなければならないため、猛暑が厳しくなるほど冷房設備の稼働時間と電力使用量が増加せざるを得ない。
チーズ保存倉庫運営会社のマガッツィーニ・ジェネラーリ・デッレ・タッリアーテ(MGT)の関係者は「猛暑がピークだった時期、1日の電力使用量が普段より約30%増加した」と明らかにした。
生乳の生産コストと冷房費が同時に上昇する中、業界の一部では「私たちがチーズを食べる最後の世代になるかもしれない」という極端な懸念まで出ている。

「今年スーパーエルニーニョの可能性63%」…米・コーヒー・ココア生産も非常事態
異常気象の影響はヨーロッパのチーズ産業にとどまらない。エルニーニョ現象と気候変動が同時に進行する中、世界各国の主要農産物の生産量も減少する可能性があるとの見通しが示されている。
米海洋大気庁(NOAA)は先月の報告書で、今年エルニーニョ現象が始まったと発表した。熱帯太平洋の海面温度が平年より2度以上高くなり、強度が非常に強い「スーパーエルニーニョ」に発展する可能性を63%と見込んでいる。
エルニーニョ現象は赤道付近の太平洋の海面温度が平年より0.5度以上高い状態が数ヶ月間持続する現象だ。水温の偏差が2度を超える強力なエルニーニョは「スーパーエルニーニョ」または「ゴジラ・エルニーニョ」とも呼ばれる。
異常気象による被害はすでに世界各地で顕在化している。世界最大の米輸出国であるインドでは、先月のモンスーン降水量が平年より約40%少なかったことが明らかになった。
東南アジアでも干ばつが続き、パーム油の生産量が減少する可能性が高まっている。コーヒーとココアも主要生産地の天候悪化により収穫量が減少するとの観測が出ている。
イタリアの大手銀行ウニクレディトは、強力なエルニーニョ現象が現実化した場合、世界の農業生産量が最大14.3%減少する可能性があると分析した。それに伴う経済的損失規模は3,420億ドル(約55兆5,500億円)達するとの試算が出ている。

















コメント0