
イエメンの親イラン派武装組織フーシ派が、中東戦争の勃発後に原油輸送の迂回路となっていた紅海を封鎖すると宣言し、世界経済が大きな打撃を受けるとの懸念が出ている。ただ、中東の仲介国が米国とイランに10日間の停戦案を提示し、ドナルド・トランプ米大統領も検討しているとされるため、外交的解決の可能性は残っている。
サウジアラビアは20日(現地時間)、「紅海の入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡を通過する船舶に対するフーシ派のあらゆる脅威は、国際法に公然と違反する行為であり、海賊行為だ」とし、「迅速かつ断固として対応する」と表明した。これに先立ち、フーシ派は、サウジアラビアが自らの支配下にあるイエメンのサヌア空港を爆撃し、港湾を封鎖したことへの報復だとして、海上封鎖を宣言した。
バブ・エル・マンデブ海峡は紅海とアデン湾を結ぶ海上交通路で、サウジアラビアは中東戦争によってホルムズ海峡が塞がれると、同海峡を通じて国際市場へ原油を供給した。先月、バブ・エル・マンデブ海峡を通過した石油類の輸送量は1日740万バレルで、世界の原油生産量の約7%に上る。
このため、バブ・エル・マンデブ海峡まで封鎖された場合、国際原油価格が1バレル100ドル(約1万6,000円)を超える可能性があるとの見方が出ており、特に中東産原油への依存度が高いアジア諸国への被害が懸念されている。
米シンクタンク、ワシントン近東政策研究所のノアム・レイダン上級研究員は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)に「紅海の封鎖が現実となった場合、スエズ運河を経由して航路を迂回しなければならず、輸送費の負担が大きく増す」とし、「アジア諸国が最も大きな打撃を受ける可能性がある」と分析した。
中東の二大海峡がいずれも塞がれる恐れが指摘される中、カタール、エジプト、パキスタンなどの仲介国が、ホルムズ海峡の通航をめぐる停戦案を提示し、注目されている。
米オンラインメディアのAxiosによると、この停戦案には、米国とイランが戦闘を中止し、ホルムズ海峡の通航について10日間協議する内容が盛り込まれている。イランが海上安全などを名目に一定の通航料を徴収し、国際海事機関(IMO)が参加する共同基金で管理する案なども取り沙汰されている。双方が合意に達した場合、紅海封鎖の問題も解決策が見つかる可能性が高い。
ただ、米国とイランがこの停戦案を受け入れるかどうかは不透明で、トランプ大統領は最終決定を下していないとされる。
















コメント0