『白夜行』、『ガリレオ』などの代表作を残したミステリー界の巨匠
国内累計発行部数1億部を突破、8月5日の新作刊行を前に死去

ミステリー作家の東野圭吾さんが、大腸がんのため死去した。68歳だった。
27日、講談社の発表や朝日新聞などの報道によると、東野さんは23日未明、大腸がんのため亡くなった。葬儀は近親者のみの家族葬で執り行われたという。
1958年に大阪市で生まれた東野さんは、大阪府立大学工学部電気工学科を卒業後、日本電装(現デンソー)にエンジニアとして勤務する傍ら、小説の執筆を始めた。
1985年、女子高を舞台にした密室殺人ミステリー『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビューを果たした。1999年には長編小説『秘密』で第52回日本推理作家協会賞長編部門に選ばれ、人気作家としての地位を確立している。
2005年に発表した代表作『容疑者Xの献身』は、天才的な数学者で高校教師の石神哲哉が仕組んだ完全犯罪を、大学時代の友人で物理学者の湯川学が追う物語である。緻密な推理と切ない愛の物語を融合させ、2006年に第134回直木三十五賞と第6回本格ミステリ大賞小説部門を同時に受賞した。
『容疑者Xの献身』を含む「ガリレオ」シリーズは、福山雅治主演でテレビドラマや映画として映像化され、大きな人気を博した。ほかにも「加賀恭一郎」シリーズ、「マスカレード」シリーズ、『白夜行』、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など100作を超える作品を発表し、幅広い読者に親しまれてきた作家でもある。
東野さんは『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞するなど、数多くの受賞歴を持つ。
2023年には、著作の国内累計発行部数が1億部を突破した。同年に紫綬褒章を受章したほか、第71回菊池寛賞にも選ばれている。
また、2009年から2013年まで日本推理作家協会の理事長を、2013年から2019年まで直木賞の選考委員を務めた。作家として創作を続ける一方、ミステリー界や文学界の発展にも貢献した。
東野さんは、8月5日に刊行予定の「ガリレオ」シリーズ最新長編『永遠の記憶』を含め、共著を除いて106冊の著書を残した。新作の発売を目前にした突然の訃報に、国内外の読者から惜しむ声が広がっている。















コメント0