フォルクスワーゲンの新バッテリー管理
ドングル×AIで劣化予測
アプリで診断と証明書発行

フォルクスワーゲンは31日、電気自動車専用の統合バッテリー管理サービス「EVスマートケア」を公開した。LGエナジーソリューションと共同開発した本サービスは、まず「ID.4」と「ID.5」に適用され、車載バッテリーの健康状態をリアルタイムで把握できるようにする。
コアとなるのは車両のOBD-IIポートに装着するワイヤレスドングルだ。走行ログや充電パターン、セル電圧などを取得し、クラウド上でAIが劣化傾向を予測。最適な充電タイミングや走行方法をアプリ経由で提案し、バッテリー寿命を最大化する。


アプリで状態確認
異常検知と通知
スマートフォンアプリ「B-lifecare」は直感的なUIを採用し、残存容量や温度、推定航続距離を即座に表示するほか、中古車取引で活用できるバッテリー性能証明書も発行する。
車両が停止してから約80秒間もモニタリングが続き、電圧の急低下など規定値を外れる挙動を検出するとSMSで異常を通知。同時にコールセンターやサービス拠点にもデータが送信され、入庫前診断を短縮する仕組みを構築した。

新型はドングル標準装備
電池信頼性とサポート強化
2024年8月1日以降に製造されたID.4、ID.5にはドングルが標準装備され、アプリは初年度無償。既存オーナーも正規サービスセンターで後付けキットを購入でき、予約取付に対応する。料金体系は地域別に順次発表される予定だ。
日本ではディーラーが高電圧バッテリーの点検・交換を担う体制が整備されており、専門家が診断に対応する。さらに、フォルクスワーゲン「ID.3」は総走行距離16万kmの耐久テスト後も容量91%を維持したと報告され、同社の電池信頼性は実証されている。EVスマートケアはこうした実績にアフターサービスを融合させ、残価向上とバッテリー不安解消を狙う。
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