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ウクライナが18か月準備した”史上初”の大作戦…4000km先のロシア爆撃機40機を破壊した「スパイダーウェブ」とは

織田昌大 アクセス  

ウクライナ、戦略爆撃機を破壊したと主張

ドローンを密輸し4地域へ、ロシア空軍基地を同時多発攻撃

「ロシア保有の戦略爆撃機120機のうち40機を破壊…修理・代替は困難」

引用:YouTube@WION
引用:YouTube@WION

ウクライナが1日(現地時間)、数千キロ離れたロシアの戦略爆撃機を標的に実行した大胆なドローン攻撃は、18か月にわたり緻密に準備されていた作戦だったことが分かった。

ウクライナは同日、ロシア本土の空軍基地4か所をドローンで攻撃し、可変翼超音速戦略爆撃機「ツポレフ(Tu)-160」など約40機、総額約70億ドル(約1兆15億3,091万円)の軍用機に損害を与えたと主張した。

英BBC放送や欧州のニュース専門局ユーロニュースによれば、今回の作戦は準備に18か月を要したという。

ウクライナは、ロシアの監視を避けるため小型ドローンを送り込み、貨物トラックに偽装した車両に保管した。その後、少なくとも4か所の別拠点へドローンを移送し、ロシア空軍基地を標的に遠隔操作で発射した。

「スパイダーウェブ」と名付けられたこの作戦は4カ所の基地を標的とした。

ロシア西部リャザン州のジャギレボ基地、首都モスクワ近くのイヴァノヴォ基地、シベリア・イルクーツク州のベラヤ基地、そして最北西端都市ムルマンスク州にあるオレニャ基地だ。

ベラヤ基地は前線から約4,000km、オレニャ基地はウクライナ国境から約2,000km離れている。

引用:ウクライナ保安局
引用:ウクライナ保安局

ウクライナ保安局(SBU)の関係者は、この作戦により各基地に配備されていた様々な戦略爆撃機を含む41機のロシア軍機が被害を受けたと伝えた。

撮影された衛星写真からも、これら4基地にはTu-95、Tu-22、Tu-22M3、Tu-160、A-50などの爆撃機や偵察機が配備されていたことが確認されている。

Tu-95、Tu-22、Tu-160はいずれも、ロシアがウクライナに対しミサイル攻撃を行う際に定期的に使用されている爆撃機であり、Tu-160は核ミサイルの搭載も可能な可変翼超音速爆撃機である。

Tu-22M3は巡航ミサイルKh-22およびKh-32を搭載でき、飛行速度はマッハ4(音速の4倍)以上に達する。

A-50は偵察機であり、防空システムや誘導ミサイルを探知し、ロシア戦闘機の目標設定を補助する役割を持つ。

なお、被害規模についてはウクライナの主張通りかどうかは確認されていない。ロシア側は、空軍基地5か所が攻撃を受けたものの、イルクーツクなど2か所以外では撃退に成功し、被害を受けた航空機は一部に過ぎないと主張している。

ウクライナの軍事専門家セルヒー・クザン氏は、自国メディアのインタビューで「世界中でこのような軍事作戦を実行した前例はなく、歴史的な作戦だ」と強調した。

クザン氏は「これら戦略爆撃機はウクライナへの長距離攻撃を可能にする機体で、総数120機のうち40機を攻撃したというのは非常に大きな成果だ」と語った。

軍事ブロガーのオレクサンドル・コバレンコ氏も、仮に爆撃機や指揮統制機が完全に破壊されていなくとも、その損害は甚大だとし、「Tu-95、Tu-22、Tu-160はいずれもロシアではすでに生産されておらず、修理は困難、代替も不可能だ」と指摘した。

特にTu-160の損失の可能性については、「ロシア空軍は非常に希少な航空機を2機失った。言わば、伝説級の機体を2機同時に失ったようなものだ」と述べた。

引用:ウクライナ保安局
引用:ウクライナ保安局
織田昌大
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