マドゥロ拘束後、ベネズエラはどこへ向かうのか

「安全で適切な権力移譲が実現するまで、米国がベネズエラの国政を運営する」
ドナルド・トランプ米大統領は3日(現地時間)、ベネズエラについて事実上の暫定統治に踏み込む姿勢を示した。米国へ移送されたニコラス・マドゥロ大統領に代わり、デルシ・ロドリゲス副大統領が米国に協力するなら、米軍を駐留させないとも述べた。ベネズエラ最高裁判所は、ロードリゲス副大統領に大統領代行として職務を遂行するよう命じたという。

ただ、ロードリゲス副大統領は「ベネズエラの大統領はマドゥロただ一人だ」と述べ、米国の方針に全面的に協力する考えは示していない。2024年7月の大統領選でマドゥロ大統領と争った野党指導者エドムンド・ゴンサレス・ウルティア氏や、2025年のノーベル平和賞受賞者で別の野党指導者でもあるマリア・コリーナ・マチャド氏も「ポスト・マドゥロ」の有力候補として取り沙汰されている。一方で、誰が権力を握っても、当面は政情不安が続くとの見方が強い。
トランプ大統領「米国がきちんと統治する」
トランプ大統領はこの日、フロリダ州の私邸マール・ア・ラーゴで記者会見し、「適切な権力移譲が行われるまで(米国がベネズエラに)とどまる」と述べた。さらに「我々がただ去れば回復の可能性は0だ。専門的に運営する」と強調した。
また「指導者になってはならない人物が多い。マドゥロの後に、そうした人物が権力を握る危険は冒せない」とも語った。反米路線など、マドゥロ大統領の方針を継承する勢力が台頭する事態を避けたい考えとみられる。
トランプ大統領は、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官、ジョン・ラトクリフ米中央情報局(CIA)長官、スティーブン・ミラー大統領次席補佐官、ダン・ケイン統合参謀本部議長らが国政運営を主導すると説明した。キューバ系でスペイン語に通じるルビオ国務長官が、ロードリゲス副大統領と通話したとも伝えられている。
ただし、ロードリゲス副大統領の兄であるホルヘ・ロドリゲス国会議長、ブラディミル・パドリノ国防相、ディオスダド・カベジョ内相など、マドゥロ大統領に近い要人は、米国への協力姿勢を明確にしていない。中国、キューバ、ロシア、ベラルーシ、トルコ(テュルキエ)などへの亡命や、国内での武装抵抗が誘発され、混乱が拡大する可能性も指摘されている。
トランプ大統領は、自身のSNSで「ウルティア氏が次期大統領に就くべきだ」とするエマニュエル・マクロン仏大統領の投稿を共有した。ウルティア氏は2024年大統領選で勝利したと主張しているものの、選挙をめぐる混乱の中で国外に滞在しているとされる。トランプ大統領は一方で、マチャド氏については「支持基盤が薄く、統治は難しい」と否定的な見方を示した。
イラク・アフガンの政権交代失敗というジレンマ
トランプ大統領の構想が想定通りに進むかは見通せない。米国は2000年代初頭、イラクのサダム・フセイン政権とアフガニスタンのタリバン政権を軍事力で短期間に崩壊させたが、その後に成立した親米政権は腐敗や統治能力の欠如で支持を失い、治安悪化と混乱が長期化した。結果として米国の国際的な評価にも打撃が及んだ。
今回のベネズエラ介入も、同様の悪循環に陥りかねないとの懸念が出ている。民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は、イラクとアフガニスタンで得た教訓を大統領が無視しているとして批判した。
















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