ナワリヌイ氏の体内から「南米由来の毒素」検出か…暗殺疑惑に新たな証拠

南米ヤドクガエル由来の毒素、麻痺や呼吸停止を引き起こす可能性 妻「暗殺の証拠が出た」プーチン氏を強く非難

引用:アレクセイ・ナワリヌイ氏のInstagram
引用:アレクセイ・ナワリヌイ氏のInstagram

2年前に獄中で不審死したロシアの反体制活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏について、致死性の強い毒物によって中毒死した可能性が極めて高いとの結論を、英国、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデンの5カ国が14日(現地時間)に発表した。

5カ国は外相名による共同声明で、ナワリヌイ氏の生体試料を分析した結果、「エピバチジン(epibatidine)」が検出されたと明らかにした。エピバチジンは南米のヤドクガエルから見つかる毒素で、声明は「ロシアでは自然に存在しない物質だ」と指摘した。

各国は、ロシアがナワリヌイ氏の死因を「自然死」と主張してきたものの、エピバチジンの強い毒性や報告されている症状などを踏まえると、中毒が死因である可能性が極めて高いと強調した。さらに、ナワリヌイ氏が拘束下で死亡した点を挙げ、「ロシアはこの毒物を投与する手段・動機・機会のすべてを有していた」と主張している。

「化学兵器禁止条約に続き、生物・毒素兵器禁止条約違反の可能性も」

5カ国は、ロシアが国際法および化学兵器禁止条約(CWC)を繰り返し軽視してきたとの立場を改めて示し、今回の事案についても生物・毒素兵器禁止条約(BTWC)に違反する可能性があると指摘した。

さらに、5カ国の常駐代表が化学兵器禁止機関(OPCW)の事務局長に書簡を送り、条約違反の疑いを通知したと明らかにした。その上で、「利用可能なあらゆる手段を講じて責任を追及する」と強調した。

声明ではまた、ロシアが「すべての化学兵器を完全には廃棄していない可能性がある」との懸念も示された。

遺族ナワリヌイ氏の妻「最も致死性の高い毒の一つ…麻痺や呼吸停止」

ナワリヌイ氏の妻、ユリア・ナワリヌイ氏はX(旧ツイッター)に、「夫がエピバチジンに中毒していたことを欧州5カ国の科学者が証明した」と投稿し、「この毒は麻痺や呼吸停止を引き起こす」と訴えた。

さらに「当初から暗殺を確信していた」とした上で、ウラジーミル・プーチン大統領の責任を追及すべきだと主張した。

ナワリヌイ氏はプーチン大統領の最大の政敵の一人とされ、政権の汚職を追及する活動を続けてきた。2020年には神経剤「ノビチョク」による中毒事件に遭ったが回復し、その後帰国して逮捕・収監され、2024年2月16日にシベリアのヤマロ・ネネツ自治管区にある第3矯正施設で死亡した。ロシア側は今回も関与を否定し、死因は自然死だと主張している。

有馬侑之介
有馬侑之介

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