レバノンなど周辺国への不安定化拡大を懸念
ローマ教皇庁「どの国にも予防戦争の権利はない」
ローマ教皇レオ14世は、米国とイスラエルによるイラン空爆をきっかけに中東情勢の緊張が高まる中、紛争終結に向けた対話と外交の必要性を訴えた。
9日、AFP通信など海外メディアによると、レオ14世はバチカンのサン・ピエトロ広場で行われた「お告げの祈り」の後、集まった信者らに対し、「紛争が拡大すれば、愛するレバノンをはじめとする周辺国が再び深刻な不安定に陥る恐れが高まる」と述べた。さらに「爆撃の音が止み、武器が沈黙し、人々の声が届く対話の場が開かれるよう祈ろう」と呼びかけた。

教皇の発言は、米国とイスラエルによるイラン空爆後、中東で武力衝突が続く状況に対する深い懸念を示したものと受け止められている。特に、イスラエルがレバノンでも軍事作戦を強化し、民間人の死傷者が増えている状況を念頭に置いたメッセージだとの見方が出ている。また、ローマ教皇庁も米国とイスラエルの軍事行動に批判的な立場を示している。教皇庁のピエトロ・パロリン国務長官も4日、「どの国も『予防戦争』を行う権利はない」と述べ、先制攻撃を正当化する動きを批判した。
今回の衝突は、米国とイスラエルによるイラン空爆をきっかけに始まった。空爆の過程で、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を含む軍指揮官など重要人物数十人が死亡したと伝えられている。米軍側でも10人前後の死傷者が出たとされる。
中東情勢の緊張が急速に高まる中、教皇は紛争が激化した直後から平和を訴えるメッセージを発信し続けている。特に、軍備競争を中止すべきだとの立場を繰り返し強調している。5日に発表したメッセージでは、「国家指導者たちは死をもたらす計画を捨て、軍備競争を止めるべきだ」と述べ、世界の指導者に責任ある決断を促した。
また、世界中のカトリック信者に対し、「軍備削減と平和」のための祈りに参加するよう呼びかけた。教皇は「神は私たちを戦争のためではなく共に生きるために、破壊のためではなく兄弟愛のために生み出した」と述べ、「世界平和のために各国が武器を下ろし、対話と外交の道を選ぶことを願っている」と語った。
さらに、「私たちの心から憎しみや恨み、無関心を取り除き、私たちが和解の道具となれるよう助けてください」と祈った。教皇は、「真の安全は恐怖に基づく支配から生まれるのではなく、信頼と正義、連帯から生まれる」と強調し、「核の脅威が再び人類の未来を左右することがあってはならない」と訴えた。

一方、米国出身で2025年5月に即位したレオ14世は、国際紛争をめぐり比較的明確な平和メッセージを発信していると評価されている。特に、トランプ政権とは一定の距離を保とうとする姿勢も見られる。米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束するための軍事作戦を行った際にも、「外国の主権を尊重すべきだ」と述べ、懸念を示したこともある。
最近、トランプ政権が世界の安全保障や平和問題を議論する場として推進した新たな国際機関「平和評議会(Board of Peace)」への参加を、教皇庁が拒否したことも、こうした流れの一環とみられている。教皇庁内部では、この機関が将来的に国際連合に代わる性格を持つ可能性があるとの懸念も指摘されている。
中東情勢が急激に悪化する中、教皇は連日、暴力の停止と外交的解決の必要性を強調し、国際社会に平和への努力を呼びかけている。
















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