中国は、自国企業の海外事業で生じる不正行為だけでなく、外国企業の中国国内での不正行為も規制するため、「越境腐敗防止法」の制定を進めている。国内にとどまらず、国境を越えた不正行為にまで反腐敗の矛先を向ける動きだ。

中国・新華社の10日付報道によると、全国人民代表大会(全人代)の趙楽際常務委員長は前日、北京で開かれた第14期全人代第4回会議の第2次全体会議で、今年の立法計画の一環として「越境腐敗防止法」の制定を推進すると表明した。ただし、法案の具体的な内容についての説明はなかった。
中国の財新メディアなどの報道を総合すると、中国企業や個人が海外での投資や事業活動を行う際の賄賂行為などが対象となるほか、外国企業の中国国内の支社や法人の不正も取り締まりの対象になる見込みだ。
中国は数年前からこの法律の制定を進めてきた。全人代常務委員会は2023年9月の立法計画に同法案を盛り込んでいる。さらに、2024年7月に開かれた中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議では、反腐敗関連の国家立法の一環として「越境腐敗防止法」を制定する方針を正式に示した。
財新メディアなどによると、この法律は主に三つの課題に対応するために推進されるとみられる。まず、中国企業の海外進出に伴って発生する賄賂提供などの越境的な不正行為に対する法の空白を埋めることが挙げられる。また、不正行為の巧妙化・国際化が進む中で、反腐敗政策の適用範囲を海外にまで拡大する狙いもある。さらに、監督体制を強化し、「腐敗を許さず、腐敗をしようとする意欲も抑える」制度的な基盤を確立する狙いも含まれる。
海外に資産を移転した汚職官僚を対象とする可能性も指摘されている。いわゆる「裸官」と呼ばれる、家族を海外に移した汚職官僚も取り締まりの対象になるとみられる。これは、中国当局が汚職官僚を国外に逃がさず、徹底的に追及する意向を反映していると考えられる。













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