価格は従来型ミサイルの100分の1水準…各国が関心を寄せる

ウクライナ戦争やイラン戦争で、低価格のドローン攻撃を防ぐために1発当たり数百万ドルに上るパトリオットミサイルなど高価な迎撃ミサイルを使わざるを得ない状況が深刻な問題となっている。
米国はイランとの戦闘開始後の4日間で、イランの弾道ミサイルやドローンを撃墜するために57億ドル(約9,103億円)相当の迎撃ミサイルを発射したとみられている。湾岸諸国も巨額の費用を負担している。サウジアラビアなどは、1発数百万ドルのパトリオット迎撃ミサイルを発射し、戦闘機からミサイルを撃ってイランのドローンを迎撃した。
こうした中、ドローン迎撃用の低価格ミサイルを開発しようとする動きが世界的に活発化しているとウォール・ストリート・ジャーナルが30日(現地時間)に報じた。
多くのスタートアップ防衛企業は設計を見直し、汎用部品を採用、自動化された大量生産方式に切り替えることで、生産コストを従来の迎撃ミサイルの10分の1から100分の1程度にまで引き下げている。
低価格ミサイルは電波妨害や銃弾、迎撃ドローンなどほかの対ドローン兵器より高価ではあるものの、命中精度が高く、射程が長く、あらゆる天候で運用できる利点がある。
米テキサス州のスタートアップ企業ペルセウス・ディフェンスは、1発1万ドル(約159万7,000円)のミサイルを開発している。世界で最も広く使われている防空ミサイルの一つであるAIM-9サイドワインダーをより小型で低価格かつ短期間で製造することを目指している。
戦闘機など高額な目標の迎撃を想定して設計されたサイドワインダーは高価な兵器だ。米国は昨年、トルコにサイドワインダー60発を約8,000万ドル(約127億7,000万円)で売却した。
ペルセウス・ディフェンスが開発しているミサイルは全長38センチにすぎないが、射程は1キロあり、ドローンや地上車両、艦艇から発射できる設計だ。
エストニアのスタートアップ 企業フランケンブルク・テクノロジーズのクスティ・サルムCEOは、2022年にイラン製のシャヘド・ドローンがロシアに供給され始めた当時を振り返った。
サルムCEOは当時、ロシアがシャヘドを月100機のペースで発射すれば、欧州のすべての国が苦境に陥ると見ていたが、いまではロシアが1日最大400機のドローンを送り込んでいると指摘した。
フランケンブルク・テクノロジーズは時速約970キロ以上で飛行し、射程1.6キロの迎撃ミサイルを開発している。価格は1発当たり数万ドル水準で、製造時間も数時間にすぎない。製造コストを下げるため、防衛用の特殊部品ではなく家電製品向けの部品を大量に採用している。
フランケンブルク・テクノロジーズはすでに2カ国にミサイルを販売しており、湾岸諸国からの問い合わせが殺到していると明らかにした。
英Cambridge Aerospaceは3DプリンティングやAIなどの先端技術を活用し、生産コストの引き下げを目指すスタートアップ企業だ。
Cambridge Aerospaceは弾道ミサイルのような高速目標向けのスターハンマーとあわせて、ドローンや巡航ミサイルの迎撃用であるスカイハンマーを開発している。
スカイハンマーの射程は約30キロで価格は数万ドル水準だ。開発日程を大幅に短縮し、わずか1年で初期生産段階に到達した。Cambridge Aerospaceは新技術の導入に加え、2種類のボルトだけを使用するなど、生産工程そのものを簡素化する方式も追求している。
既存の大手防衛企業も低価格ミサイルの生産を模索している。欧州のMBDAは昨年、ドイツと小型・中型ドローンを迎撃する低価格ミサイル・ディフェンドエアの生産契約を結んだ。スウェーデンのサーブも低価格ミサイルを開発している。













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