米軍縮小に関税引き上げ…トランプ氏、イラン戦争めぐり欧州同盟に不満爆発

ドナルド・トランプ米大統領は虚勢を張らない。
米ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官がたびたび口にする決まり文句の一つだ。目的達成のため相手を威圧する上司の得意技が発揮された後、「単なる虚勢ではないか」との批判が出るたびに切り返す常套句でもある。
事実とは言い難いが、そう受け取られる事例がいくつかあるため、全面的に否定するのも難しい。最近では、欧州同盟国に対するトランプ大統領の相次ぐ措置によって、その例がまた一つ増えた。
トランプ大統領は、同盟国との協議なしに始めたイラン戦争で苦境に陥ると、3月中旬に突如として同盟国に軍艦派遣を要求した。これが受け入れられなかったことで、強い不満をあらわにし、「忘れない」と述べ、報復を何度も示唆した。
今年3月の閣僚会議で、NATOに向けて「もし助けないのなら、そのことは忘れない。よく覚えておけ。数か月後には私の発言の意味が分かるだろう」と述べたのが代表例だ。
そのわずか1か月余り後となる1日(現地時間)、トランプ大統領は欧州製自動車への関税引き上げを発表し、欧州駐留米軍の削減も指示した。表向きの理由はそれぞれ異なるものの、この戦争をきっかけに高まったトランプ大統領の怒りが影響した結果との見方が強い。
トランプ大統領はこの日、SNSの「トゥルース・ソーシャル」に「EUが、われわれが完全に合意していた貿易協定を順守しなかったことを踏まえ、来週から米国に輸入されるEU製の自動車とトラックに課す関税を引き上げると発表できることをうれしく思う」と投稿し、「関税率は25%に引き上げられる」と記した。
トランプ政権は昨年7月、EUと貿易協定を締結し、自動車を含む大半の商品に対する関税を15%へ引き下げることで合意していたが、約10カ月後には自動車への関税率を25%に戻すと宣言した。
EUが具体的にどの合意に違反したのかについては説明していない。これに対し、関税引き上げの背景には、イラン戦争をめぐるトランプ大統領の不満が影響したのではないかとの見方が出ている。
EU製自動車への関税が引き上げられれば、多くの自動車メーカーを抱えるドイツが直撃を受ける。トランプ大統領は最近、フリードリヒ・メルツ独首相のイラン戦争に関する発言を問題視し、連日批判を繰り返していた。
この日、トランプ政権は関税措置にとどまらず、ドイツ駐留米軍の撤収に関する具体的な計画も発表した。トランプ大統領がSNSで削減検討に言及してから2日後のことだ。
米メディアによると、国防総省高官はトランプ大統領がドイツ駐留兵力5,000人の削減を指示したと明らかにし、米国防総省のショーン・パーネル報道官は、撤収は今後6か月から12か月の間に完了する見通しだと説明した。
パーネル報道官は、今回の決定について、欧州における米軍配置の現状を国防総省が徹底的に検討した末に下されたものだと説明したが、匿名の国防総省関係者は、今回の措置がイラン戦争に関連した一種の報復措置であることを示唆した。
米CBSは、国防総省関係者が今回の措置について、欧州同盟国がイラン戦争で提供した支援の水準に対するトランプ大統領の不満を示すものだと受け止めていると報じた。ニューヨーク・タイムズ(NYT)も、国防総省高官らが非公式に、今回の措置が米国のイラン戦争をめぐる最近の発言でトランプ大統領の機嫌を損ねたドイツへの処罰と受け止められることを望んでいると伝えた。
メルツ首相は先月27日、国内行事で「米国は明らかに何の戦略もなくイラン戦争に飛び込んだ」と述べ、「イラン指導部、とりわけイスラム革命防衛隊(IRGC)が米国を屈辱的な状況に追い込んでいる」と評価し、トランプ大統領の怒りを買った。イラン戦争で高まっていた欧州への不満に、さらに油を注いだ形だ。
まずドイツに向けられたトランプ大統領の怒りは、他の欧州同盟国にも広がる可能性がある。
トランプ大統領は前日、ドイツだけでなく、スペインやイタリアに駐留する米軍の削減意向も示していた。記者団に対し、「なぜ私がそうしないといけないのか。イタリアはわれわれをまったく助けていないし、スペインはひどかった。本当にひどかった」と語った。














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