
米軍が台湾の軍事情報局(MIB)に初めて人員を配置したとの報道が出た。
台湾紙・中国時報は15日、信頼できる情報筋の話として、米国が今年、台湾の軍事情報局に初めて人員を派遣したと報じた。
同紙によると、情報局関係者は、見慣れない外国人が庁舎内を行き来する姿に驚きを示したという。これらの人物について、米軍が進める「梅園」作戦の関係者である可能性があると伝えた。
香港国家安全維持法施行後、対中情報活動の拠点が台湾へ移行
台湾当局は、軍事情報局に派遣された米軍関係者の任務について公式な見解を示していない。ただ、中国時報は、こうした動きが米台間の軍事情報協力の緊密化を示すものだと伝えた。これは、香港における米中央情報局(CIA)の情報活動が事実上機能しなくなった状況と対照的だ。
かつて香港は、中国共産党に関する情報収集の重要拠点とされていた。しかし、2019年に香港国家安全維持法が施行されて以降、CIAの活動は事実上崩壊した。
中国時報は、米国が欧州諸国と同様に、中華圏における情報活動の焦点を台湾へ移しつつあると指摘した。その結果、台湾と国際社会との情報協力は黄金期を迎えていると伝えた。
台湾の軍事情報局は、中国共産党の政治・軍事動向の把握に強みを持つとされる。党・政府・軍の人事や昇進ルートに加え、習近平中国国家主席の指導スタイルに関する長期的な情報収集・分析能力が高いと評価されている。
また、台湾は中国本土に地理的に近く、言語や文化を共有していることから、多くの海外情報機関が情報収集の拠点や窓口として活用している。
台湾軍、CIAやNSAとの情報協力を拡大 「梅園」はNSAの盗聴拠点
台湾の軍事情報局は近年、CIAだけでなく、米国家安全保障局(NSA)との交流も大幅に増えているとされる。NSAは「梅園」のコードネームで台湾に盗聴拠点を長年運営し、軍事情報局と連携して中国本土の監視を行っていたという。
NSAはかつて、墾丁、林口、陽明山に盗聴施設を設置していた。1979年に米国が台湾と断交した後、林口と墾丁の施設は台湾国防部参謀本部の電訊発展室に移管されたが、陽明山の施設は「梅園」のコードネームの下で維持された。
NSAはアジア太平洋地域に複数の盗聴拠点を設置しており、陽明山の「梅園」基地は、中国本土中部や南東部沿岸、南シナ海一帯から発信される電子信号の傍受を担っている。同基地は台湾で最も機密性の高い施設の一つで、表向きは軍事情報局通信局として運用されている。
中国時報は、軍事情報局に駐留する米軍関係者が「梅園」の作戦に関与しているかどうかについては、現時点で確認されていないと伝えた。
米NSAと台湾軍の情報協力体制 「サンライズプロジェクト」とは
台湾でNSAの「梅園」計画に協力しているのは軍事情報局だけではない。国防部の電子戦担当部門や通信情報司令部、国家安全保障局なども関与しており、これらの協力体制は総称して「サンライズプロジェクト」と呼ばれている。
関係機関は中国本土に関する情報だけでなく、米国が必要とする各種情報も提供しているとされる。例えば、北朝鮮やイランの船舶が台湾海峡を通過した場合、その情報を「梅園」側に伝達している。
「サンライズプロジェクト」を通じて、米台双方は中国の電子通信や暗号の解読に向けたデータベースも構築した。
米国は、中国の潜水艦や核兵器、宇宙技術に関連する通信情報を重視している。中国の潜水艦が港を出航すると、台湾の「梅園」をはじめとするNSAの海外通信傍受拠点が追跡する。
また、楽山の空軍長距離早期警戒レーダーの探知距離は3,000キロに達する。この施設は、台湾と米国の情報協力において重要な拠点と評価されている。
2020年には、蔡英文前総統が車で4時間以上かけて楽山レーダー基地を視察し、基地内に数人の米軍関係者が駐留している様子を映像で公開した。
これについては、米台が緊密な軍事協力関係を維持していることに加え、中国人民解放軍のミサイルや戦闘機に関する高度な早期警戒情報を共有する意思を示したものだとの見方がある。













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