世界銀行「50年ぶり最大の供給ショック」…途上国に「失われた10年」の警告

世界銀行(WB)は、ホルムズ海峡の長期封鎖による影響を「50年ぶり最大の供給ショック」と位置付け、数十カ国の開発途上国が「失われた10年」に直面する可能性があると警告した。
11日(現地時間)、米紙ワシントン・ポスト(WP)によると、世界銀行は世界経済見通し報告書で、中東戦争をきっかけとしたホルムズ海峡の長期封鎖が、原油や天然ガス、肥料、工業用化学製品の価格を同時に押し上げ、世界経済全体に圧力をかけていると分析したという。世界銀行は今回の事態を「50年ぶり最大の供給ショック」と評価した。
世界銀行の副チーフエコノミスト、アイハン・コーゼ氏は、「世界経済が突如としてクラッシュを迎えるわけではないが、成長の急減速は一目瞭然だ」としたうえで、「多くの開発途上国は、以前よりも緩衝余力が小さくなった状態で今回のショックに直面している」と述べた。
最も大きな打撃を受ける地域は、戦争の影響を直接受ける湾岸諸国だ。世界銀行は、クウェート、イラク、カタールの2026年の経済成長率が事実上0%近くになると予測した。アラブ首長国連邦(UAE)の今年の成長率見通しは2.4%で、戦争前の予測値の半分にも満たない水準となっている。
また世界銀行は、数十カ国の開発途上国が先進国との所得格差を縮小できないまま、2020年代が事実上「失われた10年」となる可能性が高いと警告した。
世界銀行のチーフエコノミストであるインダーミット・ギル氏は、「現在の世界経済は過去に比べてはるかに回復力が低下している」と指摘した。その要因として、高齢化や投資の鈍化、貿易摩擦の激化、そして公的債務の膨張が長期的な成長力を弱めていると説明した。
一方、米国は人工知能(AI)関連投資の拡大を背景に、今年は2.2%の成長が見込まれている。これは前年をやや上回る水準であり、欧州や日本を大きく上回る数字だ。また、米国のAI関連インフラ投資額は、世界のその他すべての国の関連投資額を合計した額を上回っていることも明らかになった。
世界銀行は、今年の世界経済成長率を2.5%と予測した。これは過去2年間の平均成長率(2.9%)を下回る水準であり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2020年以降で最低となる。
さらに世界銀行は、中東戦争が7月以降も長期化した場合、平均原油価格が1バレル=115ドル(約1万8,600円)まで上昇し、世界経済成長率は2.1%まで低下する可能性があると警告した。加えて、エネルギーショックによって株式や債券価格も同時に下落した場合、成長率はさらに1.3%まで落ち込む可能性があると分析した。













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