
Googleの人工知能(AI)分野を支えてきた中核人材が相次いで競合に移り、生成AIをめぐる主導権争いへの懸念が強まっている。
ブルームバーグなどの海外メディアは18日、生成AI分野の先駆者の一人とされるノーム・シャジール氏がGoogleを離れ、OpenAIに加わったと報じた。シャジール氏は17日、自身のSNSで移籍を明らかにしている。
OpenAIの最高研究責任者(CRO)を務めるマーク・チェン氏は、シャジール氏が次世代AIモデルの開発手法を研究する予定だと説明した。OpenAIのサム・アルトマンCEOも「創業初期から一緒に働きたかった人物だ」と歓迎した。
シャジール氏は2017年、Googleの研究者らとともに論文『Attention Is All You Need』を発表した。同論文では、大規模言語モデル(LLM)の基盤となるアテンション機構が示され、現在の多くのAIモデルに使われるTransformer(トランスフォーマー)の構造設計発展につながった。
その後、シャジール氏はGoogleを退社し、AIチャットボットのスタートアップCharacter.AIを共同創業。2024年にGoogleへ復帰した。
当時、GoogleはCharacter.AIの技術ライセンス取得とシャジール氏の復帰に、27億ドル(約4,400億円)を投じたとされる。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの取引について、表向きはライセンス契約だったが、実質的にはシャジール氏を呼び戻す狙いが大きかったとの見方を伝えている。
しかし、復帰から2年足らずでシャジール氏がOpenAIへ移ったことで、GoogleがAI人材をつなぎ留められるのか疑問の声も出ている。
さらに、ノーベル賞受賞者でGoogle DeepMind副社長のジョン・ジャンパー氏も、競合のAnthropic(アンソロピック)へ移籍する。ジャンパー氏は19日、自身のSNSで「約9年を過ごしたDeepMindを離れ、Anthropicに加わる」と明かした。
ブルームバーグは、この数か月、DeepMind内部では企業向けAIコーディングツール市場に対するGoogleの戦略が十分に明確ではないとの懸念が出ていたと伝えている。
OpenAIの投資家関係者は、米金融メディアMarketWatchに対し、「AIモデルの進歩に実際に大きく貢献した研究者はごく少数に限られている」と指摘した。その上で、こうした企業間の人材確保競争は今後さらに激しくなるとの見方を示した。













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