
数十年にわたりイラン政権を「世界最悪の政権」の一つとみなしてきた米共和党内で、今回のイランとの軍事衝突を機に、イランを「米国が共存する方法を学ぶべき相手」とみる見方が広がりつつあると、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が24日(現地時間)報じた。
NYTは、この変化がイランの宿敵であるイスラエルへの無条件支持から距離を置く共和党内の世代交代によって後押しされているほか、イランが米軍による激しい空爆に耐え抜いたことへの一定の評価もあると指摘した。また、この変化は単なる米国内政治の力学の変化にとどまらず、世界的な意味合いを持つと強調した。イランを巡る軍事衝突が欧州やアジアのエネルギー供給、さらにはペルシャ湾岸アラブ諸国の安全保障に与えた影響を見れば、その重要性は明らかだとしている。
イランに対する共和党の伝統的な強硬路線の変化は、ドナルド・トランプ米大統領の戦争からの撤退志向だけでなく、それ以外の要因にも後押しされている。
米保守系政治誌「アメリカン・コンサバティブ(The American Conservative)」のカート・ミルズ編集長は、「イランは自国を守り抜いた。見事だった」と評価した。同誌は、保守主義運動の重鎮で孤立主義者として知られるパット・ブキャナン氏が創刊した雑誌で、米国の対外介入に反対する外交路線を支持してきた。
35歳のミルズ氏の見方は、イラク戦争やアフガニスタン戦争の時代に育った若い世代の共和党支持者の認識を代弁するものだ。
トランプ大統領の元主席戦略官であるスティーブ・バノン氏は、古代ペルシャがギリシャやローマと戦った歴史を引き合いに出し、トランプ大統領がイランを屈服させるのに苦戦した理由について、「彼らは地下に潜り、粘り強く耐え抜く」と説明した。
YouTubeの登録者数約400万人を抱え、トランプ政権の外交政策に不満を持つ共和党支持層の声を代弁してきた元FOXニュースのキャスター、メーガン・ケリー氏は、共和党内の対外強硬派について「世界と米国の力に対する古い見方から抜け出せていない」と批判した。その上で、「イラン人は屈服しない。この戦闘で粘り強く戦った」と述べた。
これまで共和党はイランを「悪の枢軸」と位置付けてきた。ジョージ・W・ブッシュ元大統領が2002年の一般教書演説でこの表現を用いて以降、米国は「自由のための戦い」を掲げながらイランへの敵対姿勢を維持してきた。トランプ大統領も2月28日、イラン戦闘の開始に際し、イラン政権を「非常に頑固で恐ろしい人々」と呼び、「悪事を働こうとしている」と非難した。
一方で、一部の保守強硬派は依然として従来の立場を維持している。共和党のテッド・クルーズ上院議員は、イランとの合意を批判し、「神権政治を掲げる狂信者たちに数十億ドル(数千億円)を与えるのは極めて愚かな考えだ」と述べた。また、ティム・シーヒー上院議員も、イラン指導部について「今なおあなたや私を殺そうとしている」と主張した。
しかし、共和党内の保守強硬派の上院議員の間でも、論調の変化が目立ち始めている。
ロジャー・マーシャル共和党上院議員は4月、「非合理的な宗教的狂信者たちと交渉することは不可能だ」としてイランを厳しく批判していた。しかし今月に入ると、イランのミサイル保有について「容認できる」との考えを示し、「彼らにも自国を防衛する権利がある」と述べた。さらに、「我々はイスラエル防衛と核兵器問題への対応のために、13人の米兵を失った」とも述べた。
保守派政治家の論調の変化は、有権者の意識の変化を反映したものとみられる。
先月実施されたNYTとシエナ大学の共同世論調査によると、共和党支持者のうち45歳未満では53%がイラン戦争に反対すると回答したのに対し、45歳以上では22%にとどまった。
また、若い世代の54%が「トランプ大統領はイスラエルを過度に支持している」と回答したのに対し、高齢層では16%にとどまった。さらに、45歳未満の共和党支持者の約4分の3が「米国は海外問題への関与をこれ以上深めるべきではない」と答えた一方、45歳以上では40%だった。
若い共和党支持者の間では、FOXニュースの元キャスターであるタッカー・カールソン氏への支持も目立った。好感度は41%で、非好感の23%を上回った。カールソン氏は、イラン戦闘への反対を最も強く訴えてきた保守派論客の一人として知られる。













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