
円相場は1ドル=162円台前半まで下落し、約39年6か月ぶりの円安・ドル高水準を記録した。1985年のプラザ合意後に形成された水準に近づいている。
30日の東京外国為替市場で、円相場は午後3時30分時点で1ドル=162円25銭を付けた。前日(現地時間)のニューヨーク市場で1ドル=161円90銭台まで円安が進んだ後も、東京市場ではドル買い・円売りが続き、心理的な節目とされる162円を超えた。これは1986年12月以来の円安水準に当たる。
日本経済新聞は、円安の最大の背景には米国の金融引き締め観測があると分析した。最近発表された米国の経済指標が予想以上に底堅かったことから、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に1~2回の追加利上げに踏み切るとの見方が広がっているという。
米国の金利上昇観測がドル高を促す一方、相対的に金利が低い円には売り圧力がかかっている。
日本銀行は先月、政策金利を1%まで引き上げたが、米国との金利差は依然として大きい。加えて、国内の緩和的な金融環境と積極財政の方針も、円安を助長する要因に挙げられている。
今回の為替水準は、プラザ合意後にあたる1986年末に近い。プラザ合意は1985年、米国が貿易赤字を縮小するため、日本や西ドイツなど主要な貿易相手国と、ドルの価値を人為的に引き下げる目的で結んだ合意だ。
当時はドル安・円高が急速に進む中、円相場は1ドル=158~163円の水準で推移した。現在も水準自体は似ているものの、当時とは逆にドル高・円安が進む局面にある点が特徴である。
円安は国内経済にも重荷となっている。原油や天然ガス、食料品など、輸入依存度が高い品目の価格が上昇し、輸入物価を押し上げているためだ。
日本経済新聞は、電気・ガス料金や食品価格など生活に直結する物価が上昇すれば、家計の実質購買力が低下し、消費への負担も増す恐れがあると報じた。さらに、過去とは異なり、国内企業の海外生産が拡大しているため、円安による輸出拡大の効果を上回って、輸入物価上昇の悪影響が大きくなるとの分析もあると伝えている。
円安の進行が加速する中、政府は直ちに口先介入に踏み切った。

片山さつき財務相は同日の閣議後記者会見で、「必要な場合には、いつでも適切に対応する」と述べた。続けて、「断固たる措置も含まれることは、先の日米財務相によるオンライン会談でも確認した」と語り、為替市場への介入の可能性を示唆した。
市場では、円安が歴史的な安値圏に達したことで、政府と日本銀行が為替市場に介入する可能性が高まっているとの見方が出ている。政府・日本銀行は、4月に円相場が1ドル=160円台を付けた時や、2024年7月に1ドル=161円台まで円安が進んだ際にも、大規模な円買い介入を実施した。
市場では、米国の利上げ観測が続く限り、為替介入だけで円安基調を反転させるのは難しいとの見方が優勢だ。米国の追加利上げへの期待が一段と強まれば、円相場は1ドル=165円台まで下落する可能性もあるとみられている。














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