台湾総統「中国の民族団結法は悪法、中国の越境弾圧は容認しない」

中国の民族団結進歩促進法(民族団結法)が1日に施行されたことを受け、台湾の頼清徳総統は中国による国境を越えた弾圧を決して容認せず、国際社会との連携を強化していく考えを示した。
台湾の中央通信社などによると、頼総統は1日、与党民主進歩党(民進党)の中央常務委員会で「中国政府は国連や欧州議会、各国政府、人権団体、シンクタンクなど国際社会の強い懸念や反対にもかかわらず、この法律の施行を強行した」と述べ「団結の名の下で同化と抹消を進める悪法だ」と批判したという。
さらに「これは中国が全体主義と独裁体制を一段と強化していることを示すものであり、国際社会の潮流に逆行すると同時に民主主義の台湾と権威主義の中国との根本的な違いを浮き彫りにしている」と主張した。
また、頼総統は民族団結法の影響は中国国内にとどまらないと強調した。
頼総統は「中国政府はこの法律を根拠に域外管轄権を拡大し、国境を越えた弾圧を強化しようとしている」と述べ「世界各国の政府や公務員、国会議員、企業、団体、個人のいずれも不当な制裁や圧力の対象となる可能性がある」と指摘した。
さらに「中国はすでに台湾に対して110件を超える越境弾圧を行っている」とした上で「今後は適用範囲をさらに拡大し、恐怖を煽ることで台湾国民を権威主義体制に屈服させようとするだろう」との見方を示した。
その上で「中国共産党が『赤狩り』や統一戦線工作を台湾社会へ拡大しようとする試みは決して受け入れず、見過ごさない」と強調した。
頼総統は政府として関連動向を注視しながら、早期警戒体制や対応策を整備し、国民と国家を守ると明らかにした。
また、中国の統一戦線戦略に対抗するため、国民向け教育や公務員研修を強化するとともに、友好国との協力体制を構築し、中国による国境を越えた弾圧に共同で対応するほか、人権侵害の実態を国際社会に継続的に訴えていく考えを示した。
さらに、中国への留学や事業、台湾と中国の交流に伴うリスクに十分注意するよう呼びかけた上で「与野党や政治的立場を超えて政府とともに国民の安全を守り『民主主義の台湾』が『中国の台湾』になることを防がなければならない」と述べた。
こうした台湾側の懸念に対し、中国は反発を強めている。
中国新聞網などによると、中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は2日の定例記者会見で、法律の曖昧さを指摘する声について「全く問題はない」と反論し「民進党当局の発言は、全くのデマを流して故意に人々を惑わせ、いわゆる危険をでっち上げて台湾住民を脅しているにすぎない」と批判した。
朱報道官は「我々は常に多くの台湾国民や台湾企業が中国大陸を訪れ、各分野で交流や協力を進めることを歓迎している」と述べ「常に法に基づき、台湾国民を含む両岸(中国と台湾)の人々の生命や財産、安全、正当な権利と利益を守るとともに、あらゆる違法犯罪を法に基づいて取り締まる方針を堅持している」と語った。
民族団結法は今年3月に中国全国人民代表大会(全人代)を通過し、1日に施行された。漢民族と55の少数民族を含む全ての中国国民の共同体意識を高め、国家統合を強化することを目的としている。
一方で、法律では「民族団結を損なう行為」の範囲が具体的に定められておらず、恣意的な法執行につながるとの懸念が指摘されている。このため、外国人が中国を訪問したり第三国を経由する場合でも、中国の域外管轄権の適用対象となる可能性があるとの見方が出ている。














コメント0