米国と交渉中のイラン外相
ハメネイ師の追悼行列で投石被害

米国とイランが互いに空爆を行い、今後の交渉の行方が不透明になるなか、両国の指導部が身辺への脅威にさらされていることが明らかになった。米国のドナルド・トランプ大統領は8日、帰国に使用する大統領専用機を急きょ変更した。一方、イランでは米国との交渉を主導する要人らが、国内の強硬派から威嚇や襲撃を受けた。
トランプ大統領は同日、トルコの首都アンカラで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を終え、従来型の大統領専用機「エアフォースワン」で帰国の途に就いた。しかし、出発から約3時間後に英空軍ミルデンホール基地へ着陸し、基地で待機していた新型のエアフォースワンに乗り換えた後、ホワイトハウスへ向かった。飛行中には、航空機の位置情報などを発信するトランスポンダーを停止する場面もあった。
トランプ大統領は先月、新型エアフォースワンについて「空軍が運用する航空機の中で、最も美しい機体の一つになる」と紹介していた。それにもかかわらず、今回の帰国時には当初から新型機を使用しなかったため、イランによる暗殺の脅威を警戒したのではないかとの見方が出ている。ロイター通信によると、トランプ大統領とともにエアフォースワンに搭乗した記者団には、「窓のブラインドをすべて下ろすように」といった警備上の指示が出されていたという。
トランプ大統領はこれに先立ち、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「我が軍の勇敢な兵士たちのため、真新しいエアフォースワンをミルデンホール基地へ送る」と投稿し、「兵士たちに機体を見学する機会を提供するためだ」と説明していた。しかし、記者会見で専用機の乗り換えについて質問されると、「知っての通り、大統領の生活は非常に危険だ。私はイランの暗殺対象リストで最優先の標的になっている」と答えた。さらに「私は自分の仕事をしているため、暗殺の脅威は気にしていない」と述べ、ロイター通信は潜在的な暗殺の脅威を認めた発言だと報じた。
一方、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は6日、前最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師を追悼する行列に加わった際、強硬派の群衆から襲撃を受けた。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ペゼシュキアン大統領の周囲には群衆が押し寄せ、「融和主義者に死を」と叫んだほか、一部は同大統領を転倒させようと試みたとされる。
米国との交渉に直接参加しているイランのアッバス・アラグチ外相も同日、群衆を避けて路地へ逃げ込む途中、何者かが投げた石に当たった。アラグチ外相を襲った人々が、同外相に罵声や呪いの言葉を浴びせる様子を収めた映像もオンライン上に投稿されている。
ニューヨーク・タイムズは「かつては外交的な解決策を模索する交渉派が主導権を握っていたが、次第に情勢が変わりつつある」と指摘した。そのうえで、イラン国内では交渉派と強硬派の対立が極限まで激化していると分析した。













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