安全保障戦略文書で過去最も厳しい対中批判
中国を「ロシアのウクライナ戦争を支える主要な支援者」と初めて明記
台湾海峡の現状変更にも警鐘

欧州連合(EU)は、中国をロシアと共に国際秩序を自国の利益に沿って再編しようとする中核的な勢力と位置付け、これまでで最も厳しい対中批判を打ち出した。特に、中国をロシアによるウクライナ侵攻を可能にした「主要な支援者(key enabler)」と初めて明記し、北大西洋条約機構(NATO)と同水準の強硬な対中姿勢を公式に打ち出した。
16日、香港紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』によると、EU加盟27カ国の外相は13日(現地時間)、「EUが直面する脅威と課題:戦略環境評価」と題する安全保障文書を採択した。
欧州対外活動庁(EEAS)が作成したこの文書は、今年発表されるEU初の安全保障戦略を策定するための指針となる報告書で、別途発表されることなく採択されたという。
報告書は、「現在の国際秩序の変化の中心には、何よりもロシアと中国が地域覇権を確立し、自らの利益に沿って国際秩序を再編しようとする意思がある」とした上で、「両国は勢力圏を中心とする国際秩序への回帰を図っている」と指摘した。
さらに、ロシアと中国を、欧州の安全保障と国際的なルールに基づく秩序を脅かす代表的な修正主義国家と位置付けた。
EUは特に、中国がロシアによるウクライナ戦争を支える「主要な支援者」であると初めて明記し、注目を集めた。これは、これまでNATOが使用してきた表現をEUが公式文書に採用したもので、中国をウクライナ戦争における中立勢力ではなく、欧州の安全保障を脅かす直接的な行為主体と位置付けたものと解釈されている。
報告書はまた、「中国は貿易不均衡や重要原材料、一部の先端技術分野で確保した優位性を、戦略的な手段として利用している」と主張した。
さらに、「中国はこうした非対称的な優位性を利用し、世界最強の国家となることを目指しており、これはEUが長期的に直面する重大な戦略的課題だ」と評価した。
その上で、「中国は今後も欧州での影響力拡大を今後も追求していく」との見通しを示した。
報告書はまた、「中国が南シナ海、東シナ海、台湾海峡でますます攻勢を強めていることは、欧州とインド太平洋地域の安全保障、安定、繁栄に一層大きな影響を及ぼす可能性がある」とした上で、「台湾海峡の現状変更は世界の安全保障に深刻な影響を及ぼす」と警告した。
この文書では、中国について否定的に言及した箇所が12回に上った一方、米国への言及は2回にとどまった。
ドナルド・トランプ米大統領がデンマーク領グリーンランドの編入意向を公然と表明するなど、欧州との対立を深めているにもかかわらず、報告書は「米国は数十年にわたり、欧州の安全保障と繁栄の中核を担ってきた」と指摘した。その上で、米国の安全保障上のコミットメントが変化する可能性に備え、欧州が独自の防衛力を強化すべきだと強調した。
一方、中国はウクライナ戦争を巡り、一貫して中立的な立場を維持していると主張してきた。中国政府は今回のEUの安全保障文書について、現時点で公式な見解を示していない。

















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