「イランより怖いのは有権者か」...戦争反対68%、トランプ氏が“交渉へ急旋回”

26日(現地時間)、11月3日の中間選挙まで残り100日となるなか、米国のドナルド・トランプ大統領は、イランに対する大規模攻撃を見送り、再び交渉重視の姿勢に転じた。米軍の防空ミサイルの在庫不足と政治的負担が複合的に作用したとの見方が出ている。トランプ大統領が再び、軍事的圧力と外交的解決の間で綱渡りに乗り出したとみられる。
トランプ大統領は記者団に「我々は直ちに行動できる態勢にある」とする一方、「今この瞬間も、我々は彼らと対話している」と語った。米ニュースサイト「アクシオス」が25日に報じたところによると、トランプ大統領は前日、対イラン空爆計画を承認しなかった。これに伴い、13日連続で実施されていた米軍の空爆も停止した。この指示は、オマーンの交渉団がイランに到着してから数時間後に下されたという。
■対イラン戦で空爆より交渉を選ぶ
中間選挙が目前に迫るなか、イラン戦争が終結して国際原油価格が安定すれば、共和党には追い風となる。反対に、戦闘の拡大によって原油価格と物価が再び不安定になれば、共和党にとって致命的な重荷になりかねない。実際、全米平均のガソリン価格は、心理的な節目とされる1ガロン当たり4ドル(約655円)を上回った。イランに大規模攻撃を加えようとしても、原油価格をはじめとする物価の急騰が中間選挙でブーメランとなる可能性を懸念せざるを得ない状況にある。
イランと締結した戦争終結に関する覚書(MOU)が形骸化するなか、トランプ大統領は2週間にわたる連続空爆でイランへの圧力を強めてきた。大規模攻撃を検討しているとも公言していた。しかし、大統領と与党への審判という意味合いが強い中間選挙までわずか100日という時点で、大規模な戦闘拡大に踏み切るのは難しいとの見方が強い。
世論もすでに厳しい。米紙ワシントン・ポストの最近の世論調査では、イラン戦争に価値があるかとの質問に「ある」と答えた米国民は28%にとどまり、68%が「ない」と回答した。こうした状況を受け、トランプ大統領はひとまず交渉へと軸足を戻す構えだ。
空爆中断のもう一つの背景として、軍事面の負担が挙げられる。米紙ニューヨーク・タイムズは25日、トランプ大統領が米軍の防空装備の枯渇を懸念する報告を受けた後、大規模空爆計画を見送ったと伝えた。迎撃ミサイルの在庫が減少するなかでイランの報復が続けば、ヨルダン、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)などに駐留する米軍基地の防衛に深刻な支障が生じる恐れがあるためだ。
■レームダック化か、再浮上か
選挙結果次第で、トランプ大統領は残り2年余りの任期中に国政課題を推進する力をさらに得るか、急速なレームダック化に陥るかの岐路に立つ。
トランプ大統領は1月6日に開かれた下院共和党議員の研修会で、中間選挙での必勝を誓い、「勝てなければ、彼ら、つまり野党の民主党は、私を弾劾する理由を探すだろう。私は弾劾訴追を受けることになる」と述べた。
現時点の情勢では、下院は民主党、上院は共和党が勝利する確率が、それぞれ60%と示されている。選挙終盤に向けて両陣営の支持層が結集する傾向を見せているうえ、情勢を一変させる要因も少なくないため、現段階で結果を予断するのは早い。
こうしたなか、民主党は物価高やエネルギー価格の上昇など、イラン戦争の長期化に伴う経済的負担を「トランプ大統領の責任」と結びつけ、選挙戦を展開している。一方、トランプ大統領は減税、対米投資の拡大、国境警備の成果などを前面に押し出し、支持層の結集に力を注いでいる。















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