
中東戦争に伴って国際情勢が大きく揺れ動く中、北朝鮮の金正恩総書記にとって、核兵器とミサイルを維持することは合理的な選択になり得ると、英紙タイムズが19日に分析した。
同紙のアジア編集者リチャード・ロイド・パリー氏は、「世界で最も正気を欠いた政権にとって、核兵器は最も正気な選択かもしれない」と題した記事で、「北朝鮮の金正恩にとって、イランが与える教訓は、生き残ることが目的であるなら、兵器庫は危険であればあるほど有利だという点にある」と論じている。
パリー氏は、リビアの独裁者ムアンマル・カダフィの例を挙げ、2001年の9・11同時多発テロから2011年初頭の「アラブの春」に至るまでの間、英国と米国の外交官らがカダフィ政権を説得し、核開発計画を断念させたと振り返った。
さらに、その時期に北朝鮮の高官級外交官と会い、自身が「カダフィ政権は核計画を放棄したことで安全を確保し、豊かになった」と伝えたところ、その外交官は大笑いしながら首を振り、「カダフィがどうなるか、見ていれば分かる」と返したという。
その後、カダフィは2011年の民衆蜂起で失脚し、拘束された末に殺害された。蜂起は英国と米国の空爆支援も受けながら拡大した。
また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は今年2月28日、米国とイスラエルによる攻撃で死亡した。
パリー氏は、金正恩総書記が約15年にわたり権力の座を守り続けている点に触れ、そうした体制維持に北朝鮮の核保有が大きな役割を果たしてきたことは否定できないとの見方を示した。
そのうえで、「残酷な弾圧、好戦的なレトリック、そして異様な個人崇拝のため、金総書記の一族はしばしば狂気の存在として戯画化される。しかし、政権にとって唯一の長期目標が生存であると認めるなら、核兵器とその運搬手段を確保することは、彼らが行ってきたことの中で最も理にかなった行動だった」と説明している。
続けて、「ロサンゼルスやワシントンさえ攻撃し得るという可能性は、どの米大統領にとっても軽く受け流せるものではない」としたうえで、「これは前例のない保険政策であり、金正恩を嫌悪され、恐れられ、孤立した存在にした一方で、同時にこれ以上ないほど安全な立場にも置いた。その政策の妥当性を裏付ける結果でもある」と評価した。
















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