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【初観測】水素がすべて吹き飛ばされた星、ヘリウムだけで輝き続ける異常天体の姿に科学者らも衝撃

竹内智子 アクセス  

引用:Science(2025)
引用:Science(2025)

水素は宇宙で最も豊富な物質である。そのため、宇宙にある星の主要な構成要素もまた水素である。星はこの水素を核融合の燃料として使用し、莫大なエネルギーを放出して明るく輝く。しかし、このような自然の法則にも例外がある。最近、中国の科学者らが、水素ではなくヘリウムで構成された極めて珍しい星を発見した。

研究チームが最初に捉えたのは、ミリ秒パルサーだった。パルサーは、太陽よりもはるかに重い星が超新星爆発で最期を迎えた後に残された残骸が集まってできた中性子星の一種である。中性子星の中でも非常に速く自転し、規則的にエネルギーを放出するものがパルサーと分類される。その中でも自転速度が1秒未満のミリ秒単位で非常に速い場合、ミリ秒パルサーと呼ばれる。

2020年に発見された「PSR J1928+1815」もこのようなミリ秒パルサーの一つだ。しかし、科学者らはこのパルサーが単独ではなく連星系の一部であることを突き止め、さらなる観測を行った。中国の500メートル球面電波望遠鏡でPSR J1928+1815を4年間観測した結果、まだ活動中の伴星の質量は太陽の1~1.6倍程度で、太陽と水星の距離の50分の1という極めて近い距離で3.6時間の周期でパルサーと公転していることが分かった。

しかし、本当に驚くべきはこの伴星の構成物質だった。なぜなら、それは水素ではなくヘリウムでできた星だったからだ。極めて近距離で強力なエネルギーを放出するパルサーが公転した結果、伴星の表面にあった軽い水素がほぼ全て吹き飛ばされたことが原因と考えられている。

水素がなければ核融合反応は止まると思われがちだが、実はヘリウムだけでも核融合反応は可能である。ヘリウムを炭素や酸素のようなより重い元素に変えるヘリウム核融合反応が起こるからだ。中心部の水素が枯渇し、重いヘリウムで満たされた老年期の星では、ヘリウム核融合はよくあることだが、このように水素層が全て剥がれてヘリウムだけが残った星でヘリウム核融合反応が起きているのが観測されたのは初めてのことだ。

しかし、この星も最終的には寿命を迎える。中心部のヘリウムが全て枯渇し、酸素や炭素が中心部に蓄積されるが、現在の質量ではより重い元素への核融合反応を引き起こすことができないためだ。その後はヘリウムも吹き飛ばされ、残った酸素と炭素が集まって最終的には白色矮星になると考えられている。したがって、この連星系は遠い未来に中性子星と白色矮星の連星系に進化すると考えられている。

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