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同じテスラでここまで差が?モデルYは壁に突進、サイバートラックは完璧停止…半導体進化の恐るべし威力

竹内智子 アクセス  

引用:テスラ
引用:テスラ

2車線道路の前に、道路に見える絵が描かれたプラスチック製の壁が設置された。これは、自動運転車の認識能力を試験するための装置だ。テストに使用されたのはテスラの2022年型「モデルY」と2024年型「サイバートラック」。実験の結果、モデルYは壁を認識できずに突進し、運転者がブレーキを踏む必要があった。一方、サイバートラックは壁を正確に認識し、自動で停止した。同じメーカーにも関わらず、なぜ結果が異なったのか。その理由は、自動運転用半導体「HW3」と「HW4」の違いにある。

モデルYには旧型のHW3が、サイバートラックには新型のHW4が搭載されている。HW4はテスラが独自設計した5ナノプロセス製チップで、推定される演算性能は300〜500TOPS(1秒あたりの兆回演算)に達する。これはHW3(144TOPS)の23倍に相当する。CPU、GPU、NPU、ISPなど主要な演算装置を統合したSoC(システムオンチップ)で構成され、12台の高解像度カメラとレーダーを搭載し、悪条件下でも周囲を精密に認識できる。サイズはA4用紙程度だが、原価は800ドル(約11万5,253円)以上と見積もられている。

テスラの自動運転半導体の歩みは2014年のHW1から始まった。当初はモービルアイの「EyeQ3」を使用していたが、初の死亡事故後にNVIDIAの「Drive PX2」に切り替え、その後は半導体の自社設計に着手しHW3を開発した。HW3は1秒当たり2,300フレームを処理し、二重冗長設計で安全性も確保した。都市部の交差点認識、信号対応、自動駐車など、ほとんどの自動運転機能がこの時点で実現された。

2023年にHW4が登場し、テスラの自動運転技術は一段と高度化した。ソフトウェアも「FSD(完全自動運転)」バージョン13へと進化し、数十億マイルの走行データを学習したAIが車両を自律的に運転する段階に達した。テスラはこれにとどまらず、2025年には2,000~2,500TOPS級の「AI5」チップを発表する計画で、製造パートナーにはサムスン電子とTSMCを選定している。

AI5は単純な推論を超え、学習機能も備える予定だ。テスラはこれを実現するため、「コルテックス(Cortex)」と呼ばれるデータセンターに5万台のNVIDIA GPUを導入した。長期的には35万台まで拡大する計画だ。これは、自動運転技術の未来が半導体にかかっていることを示している。イーロン・マスク氏は、2029年までに複数の国で自動運転に関する規制が緩和されると予測している。

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