
今後どのような職業が人工知能(AI)に置き換わるのかについて、AIモデル自体も一貫した答えを出せないという研究結果が出た。これにともない、AIの普及による労働市場への影響を予測するために使われる、いわゆる「AI露出度」指標の信頼性に疑問が投げかけられていると、10日(現地時間)にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
WSJによると、アメリカのノースウェスタン大学とアメリカン大学の経済学者たちで構成された研究チームが「ChatGPT-5」、グーグルディープマインドの「Gemini 2.5」、アンソロピックの「Claude 4.5」に対し、職業別のAI露出度を評価させた結果、モデルごとの回答が大きく食い違ったという。
WSJによると、「AI露出度」とは、特定の職業の業務のうち、AIが代行したり、作業スピードを大幅に向上させることができる仕事がどれだけあるかを測る指標だ。研究チームは、アメリカ労働省の職務データベースを活用し、各職業の詳細な業務を分類した上で、その業務がAIによってどの程度置き換えられるのか、また補助されるのかを評価した。
その結果、研究チームは評価方法によって結果が大きく異なったと説明している。これまでの評価方法は、人が直接業務ごとのAI活用の可能性を評価する方法、実際のAI利用者にアンケート調査を行う方法、そしてAIモデル自体に評価を任せる方法の大きく3つに分かれる。しかし、人による評価は主観が入りやすく、利用者のアンケートも特定のプラットフォームの利用者に偏る可能性があるという点が限界として挙げられている。AIモデルに評価を任せる方法も、今回の研究でモデルごとのばらつきが明らかになった。
研究チームによると、Claudeは会計士の仕事がAIに取って代わられる可能性が非常に高いと評価した一方、Geminiは相対的に低いと判断した。広告マネージャーや最高経営責任者(CEO)などについても、AIモデル間で判断が分かれている。ChatGPTとGeminiは、3つのAIモデルの中で最も似通った評価をしたが、同じ詳細業務に対しても、約4分の1で互いに異なる判定を下した。
これに対して研究チームは、「一部の違いはAIモデルの特性によるものだが、現在どの職業がAIを多く使っているかも評価に影響を与えた」と分析した。たとえば、金融アナリストのように早い段階でAIを導入した職種は、関連する利用データがより多く蓄積されており、そのデータがAIモデルによる職業別の代替リスクの判断に反映される可能性があるということだ。
研究チームは、「AI露出度指標は、政策決定や進路選択に活用される可能性があるため、単一のモデルや指標のみに依存すべきではない」と指摘した。今回の研究に参加したノースウェスタン大学のミシェル・イン研究員は、「個人的には、『職業を変えるべきだ』や『子どもの専攻を変えるべきだ』という判断を、たった一つの指標に頼って行うことはない」と述べた。
今回の研究結果は、先月アメリカの全米経済研究所(NBER)のウェブサイトに掲載された作業論文で、まだ査読は行われていない。














コメント0