メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「親切に訓練された」AIが、脆弱な精神疾患患者を追い詰める逆説

望月博樹 アクセス  

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

人工知能(AI)はもはや単なる技術を超え、数百万人に助言や感情的なサポートを提供する日常的なパートナーとなった。しかし、最新の研究と専門家の証言によれば、ユーザーの言葉に無条件に従い同調するチャットボットの「サイコファンシー(追従性)」特性が、精神的に脆弱な層において妄想や躁状態の症状を悪化させる懸念があるとして、専門家らが警鐘を鳴らしている。

デンマークのオーフス大学による新たな研究によると、チャットボットの過度な使用は、脆弱なユーザーの妄想や躁状態を増幅させる可能性があるという。約5万4,000人の精神疾患患者の電子健康記録を分析したソーレン・ディネセン・オーステゴー教授は、「AIチャットボットが精神疾患患者に深刻な悪影響をもたらす可能性があるという仮説が裏付けられた」と明らかにした。

心理学者らは、チャットボットがユーザーの発言を無条件に肯定し、同調するように設計されている点が、統合失調症や躁病の患者にとって特に危険だと指摘している。カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生大学院のジョディ・ハルパーン教授は、「妄想障害の患者に対し、誰かが常に相槌を打ち、それを増幅させるような状況は、現実世界では起こり得ないことだ」とその危険性を強調した。

イェール大学精神医学教授で「スプリング・ヘルス(Spring Health)」のCEOを務めるアダム・チェックラウド博士は、チャットボットを「巨大な追従者」と呼び、ユーザーが何を言おうとも常に肯定するのみだと批判した。

大規模言語モデル(LLM)は基本的に「有益で親切」であるよう訓練される。一般的にはこれが支援と感じられるが、統合失調症や双極性障害の患者にとっては、被害妄想や誇大妄想、自傷的な思考を増幅させる結果につながりかねない。

オーステゴー教授らの研究チームによる人口ベースの調査は、これらの危険性が単なる仮説ではないことを示している。5万4,000件の記録のうち、チャットボットの使用が孤独を和らげた事例はわずか32件にとどまった。一方、圧倒的多数の事例では、チャットボットが妄想的思考や躁状態のエピソードを強化し、自殺念慮や自傷行為、摂食障害、強迫症状を悪化させたことが明らかになった。

チェックラウド博士は、現在のAI環境を「リアルタイムで展開される安全保障上の危機」と定義した。同氏は「チャットボットは自らが精神医療の専門家ではないという事実を失念し、限界を認識せずに治療者のように振る舞おうとする」と指摘している。実際、2025年末に「オープンAI(OpenAI)」が発表した統計によると、毎週約120万人のユーザーがチャットボットと自殺に関する会話を行っているという。

一方で、肯定的な見方も存在する。脳科学者のトーマス・インセル博士は、チャットボットの高いアクセス性と匿名性が、既存の医療システムを補完する可能性があると示唆した。同氏は「大多数の患者が既存の医療システムを利用できない、あるいは利用を拒む状況において、チャットボットが代替手段となっている事実は、現在の精神保健管理システムに対する一つの問いかけだ」と分析している。

オーステゴー教授は、精神保健の専門家が患者のチャットボット使用の 有無とその影響を注意深く確認する必要があると助言した。同氏は現在の調査結果について「氷山の一角に過ぎない」とし、「問題は我々が想定しているよりもはるかに広範囲に及んでいる可能性がある」と懸念を示している。

コメント0

300

コメント0

[気になる] ランキング

  • 「両腕を広げて抱きついてくる」…トルコの“ハグ猫”が話題に
  • 氷点下30度でも「都会よりマシ」なのか…羊飼い求人に“700人”が殺到したワケ
  • エボラが“アフリカ外”にも飛び火か…「ワクチン・治療薬ない型」に欧州・南米も警戒
  • 「マリオの衣装で無法疾走」…日本の“公道カート”に地元住民が悲鳴
  • たった1足で“コーデ偏差値”UP!この夏真似したい、ニーハイソックス最新スタイル
  • 「Bluetoothの名前が“爆弾”?」…たった4文字で旅客機がUターン、乗客190人が足止めに

こんな記事も読まれています

  • 生産中止から4年…WRX STIに“復活シグナル”、試されるのはファンの熱量?
  • 「大径ホイールの罠?」見た目は最強でも、ポットホール一発で財布が割れる
  • 「一般トヨタ店では買えない」GR GT、販売は“厳選レクサス店”に集約へ?
  • GM車3,500台がリコール対象、欠けていたのは説明書1冊
  • NATO事務総長がキーウ訪問、ウクライナはロシア攻撃
  • 【速報】米国務省「イスラエルとレバノン、停戦で合意」
  • 米軍が次世代貫通爆弾開発加速、地下核施設への打撃力強化
  • 米国務長官「核保有のイランは北朝鮮以上の脅威になり得る」…近く合意成立の可能性にも言及

こんな記事も読まれています

  • 生産中止から4年…WRX STIに“復活シグナル”、試されるのはファンの熱量?
  • 「大径ホイールの罠?」見た目は最強でも、ポットホール一発で財布が割れる
  • 「一般トヨタ店では買えない」GR GT、販売は“厳選レクサス店”に集約へ?
  • GM車3,500台がリコール対象、欠けていたのは説明書1冊
  • NATO事務総長がキーウ訪問、ウクライナはロシア攻撃
  • 【速報】米国務省「イスラエルとレバノン、停戦で合意」
  • 米軍が次世代貫通爆弾開発加速、地下核施設への打撃力強化
  • 米国務長官「核保有のイランは北朝鮮以上の脅威になり得る」…近く合意成立の可能性にも言及

おすすめニュース

  • 1
    「醤油・冷凍食品・ビールまで」日本の食品価格2万品目が「続々値上げ」

    ニュース 

  • 2
    面識のない光州の女子高生殺害犯チャン・ユンギ、殺害の真の目的は性暴行

    ニュース 

  • 3
    「絶対に入るな」警告にもかかわらず毎年1万人が流入…死者19人を出した富士山

    ニュース 

  • 4
    陣痛に苦しむ妊娠中の母親に、愛犬が見せた思いがけない反応

    トレンド 

  • 5
    「最近、体力も筋力もガクッと落ちた」と思ったら…何歳から?“一気に老ける年齢”は本当にあった

    ライフスタイル 

話題

  • 1
    スイス、9月に中立強化を問う国民投票実施へ…対ロ制裁への参加に反発

    ニュース 

  • 2
    トランプ政権「司法被害者基金」計画を撤回…連邦裁判所が相次ぎ停止命令

    ニュース 

  • 3
    AIブームでインフレ再燃懸念…FRBの利下げ遠のく

    ニュース 

  • 4
    ロシア、ウクライナに大規模夜間攻撃…11人死亡、111人負傷

    ニュース 

  • 5
    「頭頂部を高くすれば小顔で若く見える?」…頭皮を切開し穴まで開ける“頭の美容整形”に危険性の指摘も

    ヒント 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]