
イタリアのホテルで、客に無料の水道水を出さず有料のミネラルウォーターを売ったことで起きた訴訟で、ホテル側の主張が認められた。
CNNが入手した判決文によると、イタリア最高裁判所は、ある宿泊客が北部バディーア地方の5つ星ホテル・サッソンゲルを相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原審が下した原告の訴えを退ける判決を支持した。
事件は2019年末にさかのぼる。当時このホテルに1週間滞在し、5,712ユーロ(約106万円)のハーフボード(飲み物が含まれない1泊2食付き)プランを利用していた原告は、夕食中に従業員に水を求めた。原告は別途料金を支払う意思も示したが、ホテル側はこれを拒否し、1本約7ユーロ(約1,300円)のミネラルウォーターのみを提供したという。
これに憤った宿泊客は「水は普遍的な人権であり、天然資源でもある。必要最低限の量は無料で供給を受ける権利がある」と主張し、同ホテルに2,700ユーロ(約50万円)の賠償金を求めて提訴した。
しかし最高裁もまた、ホテル側の主張を認める判断を下した。ローマの一審・控訴審に続き、最高裁も「イタリアの法律上、飲食店やホテル経営者に対し、客の要求に応じて水道水を提供する義務を課す規定はない」として訴えを棄却した。
今回の訴訟は、欧米の飲食店ならではの飲料水文化と相まって、大きな注目を集めた。米国や欧州の飲食店でいう「タップウォーター」は、文字どおり蛇口から注いだ水道水を指すこともあれば、店が独自のフィルターでろ過して提供する飲料水を指すこともある。
英国(イングランド・ウェールズ)では、酒類を提供する飲食店は法的に無料の水道水を提供する義務がある。一方、イタリアをはじめとする欧州大陸の多くの飲食店では、店側が水道水を有料で出したり、ブランドもののミネラルウォーターを強く勧めたりするケースが少なくない。
米国では連邦法による義務付けこそないものの、飲料水を無料で提供する慣習が長く定着している。それだけに、今回の判決はオンライン上でも大きな関心を呼んでいる。













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