
中国の春節(旧正月)を前に、代行サービス大手「UU跑腿(UUパオトゥイ)」が打ち出した“拜年(バイニエン)代行サービス”が波紋を広げた。伝統的な新年のあいさつまで外注できるという内容が、SNSを中心に議論を呼んでいる。
中国メディア「第一財経」などによると、このサービスは遠方や海外に住む子どもに代わり、両親のもとへ春節ギフトを届け、新年のあいさつやお辞儀まで代行するというもの。なかでも注目を集めたのが、999元(約2万円)のプレミアムプランだ。伝統礼法に則った拝礼を行い、その様子をリアルタイムで動画配信する内容が含まれていた。
最も安価な69元(約1400円)のプランでは、春聯(しゅんれん)と呼ばれる赤い対句飾りを購入して実家の玄関に貼り、簡単な清掃まで行う。春聯は春節の時期に門や扉に貼られる縁起物で、吉祥や繁栄、無病息災などを願う言葉が記される。
199元(約4000円)のプランでは、春節の贈答品を届けたうえで祝福の言葉を伝え、さらには「お年玉をお願いする」といったやり取りまで含まれていた。
利用者はアプリで注文すると、スタッフが指定時間に訪問してサービスを実施する仕組み。最大2人まで派遣可能だが、人数分の個別注文が必要となる。贈答品や春聯の購入費用、お年玉は別途用意しなければならず、規定時間を超えた場合は追加料金が発生する。
物議を醸したのは、やはり「拜年そのものの代行」だった。UU跑腿側は「高齢者向けの伝統儀礼を補助するサービスの一環」と説明し、悪ふざけや過度な要求には応じない方針を強調した。

同サービスは今月9日、全国約180都市で一斉に提供開始。公開直後には約100件の注文が入ったとされる。
しかしネット上では、「拜年は心を込めてこそ意味がある。金銭で代行するのは見せかけにすぎない」「孝行まで商品化するのか」といった批判が相次いだ。議論の拡大を受け、同社は開始からわずか2日でサービス停止を発表している。
一方で、感情労働や儀礼行為を代行するビジネスの広がりに注目する声もある。昨年の清明節前には「墓参り代行サービス」が登場し、平均価格は500〜800元(約1万〜1万6000円)、高額プランでは4999元(約10万円)に達したケースもあった。
伝統と商業の境界線をどこに引くのか。今回の商品は姿を消したものの、デジタル時代における“代行”の範囲がどこまで拡張していくのかという問いは、なお残されたままだ。
















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