
衆院選で大勝した高市早苗首相が、第2次内閣の国政運営方針として、インド太平洋の「輝く灯台」になると掲げた。2025年11月の台湾有事に関する発言を受け、中国の反発が強まる中、対立が続くインド太平洋で影響力を高める考えを鮮明にした。首相は閣僚に対し、防衛力と情報力を一段引き上げるよう求めている。
高市首相は18日、閣僚交代を伴わない形で第2次内閣を再発足させた。そのうえで全18閣僚に個別の「総理指示書」を手渡し、政策の方向性と担当課題を示した。日本経済新聞が入手し公表した指示書には、「強い日本」を目指す姿勢が色濃く表れている。
指示書で高市首相は、国際社会が直面する課題に対応するため、強固な外交・安全保障を構築すると明記した。安全で豊かな国づくりを進め、インド太平洋の「輝く灯台」として自由と民主主義の国として信頼されるよう、政策を総動員する必要があるという。さらに、日米同盟を軸に、志を同じくする国々や新興国、途上国との連携を外交・防衛・経済の各面で広げ、「自由で開かれたインド太平洋」構想を戦略的に進化させると強調した。政治的師とされる故安倍晋三元首相の構想を、現政権の看板として「アップグレード」したとの見方も出ている。
防衛分野では、日米同盟に基づく共同の抑止力と対処力をさらに強化する方針を掲げた。反撃能力をより効果的に運用するため、日米の協力態勢を整え、両国それぞれの指揮・統制の枠組みを高めつつ、相互の連携を強める考えも盛り込んだ。加えて、防衛協力は二国間・多国間で広げるとして、日米韓、日米フィリピン、日米豪、日米豪印などの枠組みを列挙した。日米同盟にとどまらず、韓国、オーストラリア、インド、フィリピンといった地域の友好国との協力を押し上げる狙いがうかがえる。
一方、対立が続く中国、北朝鮮、ロシアに対しては、対話の必要性に言及しながらも、威圧的な行動には毅然と対応する姿勢を示した。中国については「戦略的互恵関係」を包括的に推進する一方、主張すべき点は主張し、責任ある行動を強く求めるとした。そのうえで、対話を重ね「建設的で安定した関係」の構築も進めるとしている。北朝鮮については、拉致・核・ミサイル問題の解決と国交正常化を掲げた。ウクライナ情勢を巡っては、対ロ制裁とあわせてウクライナおよび周辺国への強力な支援を進める方針を示している。
高市首相はこうした方針を、来月19日にワシントンで予定されるドナルド・トランプ大統領との首脳会談で説明し、日米同盟をさらに強化する意向を伝える見通しだ。両首脳は2025年10月に東京で初会談し、日米同盟の「新たな黄金時代」を開くと宣言している。
これに関連し、訪米前後に「対米投資」第2弾のプロジェクトを公表する可能性も取り沙汰されている。NHKによると、日米は実務レベルで次の案件選定に入り、次世代型原子炉の建設が有力候補として検討されているという。銅の製錬施設や電池材料の生産設備など、エネルギー・鉱物分野の投資案も議論に上がっている。
日米は17日(米東部時間、18日)、貿易合意に基づく対米投資の第1弾として、総額360億ドル(約5兆5,900億円)規模の計画を発表した。内容は、△オハイオ州のガス火力発電所、△テキサス州の原油輸出施設、△ジョージア州の合成ダイヤモンド製造工場の建設計画である。毎日新聞は投資先について、11月の米中間選挙で激戦が見込まれる地域だとし、トランプ大統領が有権者の支持を得やすい案件になり得ると評した。
















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