オーツ麦や植物ステロールにLDLコレステロール低下効果

心血管疾患のリスクを高める要因の一つとされる悪玉コレステロール(LDL)は、食事の工夫でどこまで下げられるのだろうか。
最近、英国心臓財団(BHF)など心臓分野の専門家らは、英紙デイリー・ミラーの取材に対し、スタチン系薬剤と似た仕組みでLDL値の低下を助ける代表的な成分として、オーツ麦や植物ステロール、スタノールを挙げた。
血中コレステロールは、心血管の健康状態を把握する上で重要な指標の一つとされる。なかでも、肝臓から全身へ運ばれるLDLコレステロールが過剰になると、血管壁に脂質がたまってプラークが形成されやすくなる。すると血管が狭くなり、心筋梗塞や脳卒中などの重い循環器疾患につながる恐れがある。
スタチン系薬剤は、肝臓でコレステロールを合成する際に必要な酵素の働きを抑え、血中コレステロール値を下げる。一方、一部の食品成分にも体内のコレステロール代謝に働きかけ、LDL値の低下を後押しする作用があるとされる。
まず注目されるのが、オーツ麦に豊富に含まれる水溶性食物繊維のベータグルカンだ。ベータグルカンは腸内で粘り気のあるゲル状となり、コレステロールを含む胆汁酸を吸着して体外への排出を促す。
胆汁酸が排出されると、肝臓は不足分を補うため新たな胆汁酸を作り出そうとし、その材料として血液中のコレステロールを利用する。この働きによって、血中のLDLコレステロール濃度が低下すると考えられている。
実際、『British Journal of Nutrition』に掲載された臨床試験の分析では、中年層が1日当たり3.5グラムのベータグルカンを継続的に摂取した場合、LDLコレステロールが平均4.2%低下したと報告されている。
米食品医薬品局(FDA)は、コレステロール管理のため、1日当たり3グラムのベータグルカン摂取を一つの目安としている。これは、オートミール40グラムとオーツ麦飲料1杯程度を組み合わせることで、おおむね満たせる量だという。
もう一つの注目成分は、植物ステロールとスタノール(フィトステロール)で、これらはコレステロールと似た構造を持つ。腸内でコレステロールの吸収を競合的に抑え、血中LDLコレステロール値の低下を助ける植物由来成分とされる。124件の研究論文を分析した結果、1日当たり約3.3グラムのフィトステロールを4週間摂取した場合、LDL値が最大12%低下したという有意な結果も示されている。
植物ステロールやフィトステロールを比較的多く含む食品としては、アボカド、キャノーラ油やオリーブ油などの植物油、ピスタチオやクルミなどのナッツ類、大豆を含む豆類、玄米やライ麦などの全粒穀物、ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科野菜が挙げられる。
ただ、こうした食品だけで推奨摂取量とされる2グラムに達するのは容易ではない。このため専門家らは、植物ステロールを強化したヨーグルトや牛乳などを活用する方法も有効だとしている。
一方、英国栄養士協会と英国心臓財団は、こうした食品がLDL値の改善に役立つ可能性はあるものの、スタチン系薬剤の代替にはならないと明確にしている。
専門家らによると、スタチン系薬剤はコレステロール値を下げるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクそのものを低下させることが臨床的に示されている。一方、食品成分の摂取については、数値の改善効果は期待されるものの、実際の疾患予防に直結するかどうかについては、なお十分な根拠がそろっていないという。
そのため、コレステロール管理では特定の食品だけに頼るのではなく、定期的な運動や禁煙を含む生活習慣全体の見直しが欠かせない。食事内容を大きく変えたり、サプリメントを取り入れたりする前に、医師などの医療従事者に相談することが望ましい。













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