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「300万円で上級SUVの中身」日産キックスが全面刷新、コンパクト市場の常識が変わる

山田雅彦 アクセス  



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日産の新型「キックス」は、従来型から全面的な刷新を受け、デザイン、走行性能、実用性の各面で商品力を大きく引き上げた。上級クラスのSUVを想起させる存在感を備えながら、価格帯は約300万円前後に設定され、コンパクトSUV市場における競争力を強めている。



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外観は、従来型と比較して全幅を約1.6インチ拡大し、よりワイドで安定感のあるスタンスを実現した。側面シルエットは高級SUVに近いプロポーションを採用し、ボディ全体に厚みと立体感を持たせている。ルーフラインは滑らかに後方へと落ち、リアフェンダーには十分な張り出しを与えることで、視覚的な重厚感を高めた。



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フロントには新世代のVモーション3Dグリルを採用した。水平基調のデザインによって車幅を強調し、空力性能にも配慮した構成となっている。19インチアルミホイールとの組み合わせにより、コンパクトSUVとしては異例の存在感を実現している点も特徴だ。



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インテリアでは、デュアル12.3インチディスプレイによるパノラミックレイアウトを採用し、視認性と操作性を向上させた。同クラスでは珍しい構成であり、上級モデルに近い先進性を感じさせる。インターフェース全体もシンプルに整理され、日常使用における扱いやすさを重視した設計となっている。



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音響面では、BOSEパーソナルプラスサウンドシステムを搭載した。ヘッドレストにスピーカーを内蔵し、運転者の耳元へ直接音を届ける構造を採用している。通常は上級グレードやオプション装備となることが多い機能を標準化することで、装備競争力を高めている。



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パワートレインには、2.0L直列4気筒自然吸気エンジンを採用した。近年主流となるダウンサイジングターボではなく、耐久性と信頼性を重視した構成である。先代比でトルクを約54Nm向上させ、日常域での扱いやすさと発進加速性能の改善が図られている。



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組み合わされる第5世代CVTは、内部摩擦を約30%低減し、伝達効率を向上させた。これにより加速レスポンスの改善と燃費性能の最適化を両立している。自然吸気エンジンとの組み合わせによって、滑らかで安定した走行フィールを実現している点も評価される。



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AWD仕様では、リアサスペンションを従来のトーションビーム式からマルチリンク独立懸架へ変更した。各輪が独立して路面入力を受け止めることで、後席の快適性や高速走行時の安定性を向上させている。コンパクトSUVとしては足回りへの投資が明確な仕様といえる。



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荷室容量は通常時で約850L、最大で1,700L近くを確保し、同クラスでも高い積載性を持つ。開口部の幅も広く、長尺物の積載にも対応する。床面の2段調整機構や大容量カップホルダーなど、日常使用における利便性を高める工夫も盛り込まれている。



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一方で、コストを意識した設計も見られる。加速時のエンジン音の侵入や、後席ドアトリムの硬質な樹脂素材などには価格設定とのバランスが表れている。また電動シートが用意されていない点は惜しまれるが、フルLEDテールランプなど細部の仕上げには妥協が少ない。新型キックスは、ブランド演出よりも実用装備と走行性能に重点を置いた、実戦的な商品構成が特徴となっている。

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