
「世界で無人装備を最も効果的に活用する組織へと変革していく」
小泉進次郎防衛相は20日、名古屋市のドローン製造会社プロドローンを視察した後、「無人機の生産・技術基盤は国内に必ず必要だ」と述べ、このように強調した。さらに「米国は2~3年以内に100万機のドローン調達を計画しており、ロシアやウクライナは年間500万~700万機を運用している」と説明し、「新たな戦争の様相に合った防衛を考えなければならない」と語った。
政府は今年、約8兆8,000億円に達する過去最大規模の防衛予算を編成し、先端兵器の導入を加速させている。戦争と軍隊の保有を禁じた戦後の平和憲法の理念の下、最小限の防衛力にとどめてきたものの、北朝鮮の核兵器に加え、中国の海洋軍事脅威が高まるなか、防衛力の大幅な引き上げを図っている。
無人装備10種、数千機を導入
政府は無人機、無人艇、無人潜水艇など10種類の無人アセットを陸海空自衛隊に導入し、来年までに沿岸防衛システム「シールド(Shield)」を構築する計画を立てている。今年だけで約1,000億円を投じ、数千機の無人機を購入する方針だ。ロシア・ウクライナ戦争で、安価なドローンが数百億円規模の兵器を無力化する状況を目の当たりにし、ドローンは中国の大規模な軍備増強に対抗するうえで欠かせない兵器と位置づけられている。
国内の大量生産体制が整うまでは、米国製の自爆ドローン「ルーカス」を大量に輸入する見通しだ。また、長時間の滞空が可能な米国製の海洋監視無人機「シーガーディアン」を導入し、空中を移動するレーダー基地の構築も進める。悪天候下でも複数の目標を同時に追跡できるレーダーにより、偵察精度を高める狙いがある。さらに無人水上艇、無人潜水艇、ドローン撃墜用ドローンなど多様な無人装備を沿岸部に配備し、敵の接近を先制的に阻止する戦略だ。

長距離ミサイル、2032年までに1,500発確保
最も多額の資金が投じられている兵器は、長距離ミサイルだ。これまでは最小限の防衛に必要な短距離迎撃ミサイルや地対艦・空対艦ミサイルを中心に保有してきた。しかし、敵のミサイル基地を直接攻撃する「反撃能力」の重要性が浮上し、2022年から5年間で5兆円を投じて、巡航ミサイルや高速滑空弾など10種類余りの長距離ミサイルを導入している。2032年までに1,500発を確保する目標を掲げているとされる。
3月には、熊本県の健軍駐屯地に射程1,000kmの「改良型12式地対艦誘導弾」が先行配備された。射程1,500kmを目標に、地上、艦上、航空機、潜水艦など、あらゆる場所から発射できるよう改良が進められている。同じ日には、静岡県の富士駐屯地に、九州・沖縄などの防衛に使われる高速滑空弾(HVGP)も配備された。ロケットブースターで打ち上げた後、マッハ5以上の速度で滑空する極超音速兵器で、変則的な軌道により敵の防空網を回避し、迅速な打撃を可能にする。現在500~900kmの射程を、2,000kmまで延ばす計画だ。
国内の大量生産体制が整うまでは、米国製のトマホーク巡航ミサイルを積極的に活用する方針も示されている。トマホークは1991年の湾岸戦争で高い精度と打撃力を示した射程1,600km以上のミサイルで、今年9月から来年3月までに計400発を導入し、イージス艦8隻に搭載する。イージス艦でトマホークを運用すれば、射程を最大限に生かすことが可能だ。
このほか、射程1,000kmの潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM)と、飛行経路を変更できる極超音速巡航ミサイルを来年、再来年に順次配備する予定だ。遠距離から攻撃する「スタンド・オフ(stand-off)」能力を多角的に確保する取り組みが本格化している。
軽空母も2隻、次世代戦闘機を開発中
海上防衛が重要な島国として、中国の最新鋭空母に対抗する軽空母の保有も急がれている。ヘリコプターの発着が可能だったいずも型護衛艦2隻は、戦闘機を運用できる軽空母へ改修中だ。来年改修が完了すれば、垂直離着陸が可能なF-35Bステルス戦闘機の海上運用が可能になる見込みだ。
次世代戦闘機の開発にも巨額が投じられている。英国、イタリアと共同で2035年の完成を目指すグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)は、戦闘半径が3,000kmに達する第6世代戦闘機だ。無人機を指揮して共同作戦を展開する「僚機」としての役割を担えるほか、遠距離から敵機を探知する能力も備える。最近、英国政府が財政難を理由に戦闘機開発への確約をためらったため、政府側が圧力をかけ、60億ポンド(約1兆2,800億円)の支援パッケージを準備することになったとの報道もあった。
政権内では、昨年の高市早苗総理による「台湾有事」発言以降、中国との関係が冷え込んだことを受け、「これまで弱かった防衛力をより速いペースで引き上げるべきだ」との認識が広がっている。こうした武装強化に対し、中国とロシアは批判を続けている。中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が20日の首脳会談後に発表した共同声明にも、「日本の再武装は平和と安定への深刻な脅威であり、新たな軍国主義と再武装を放棄するよう求める」との内容が盛り込まれた。
















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