
中国による軍事的圧力が続く中、台湾教育部が策定した「学校青年服勤動員準備計画」を巡り、「高校生を戦時に動員するのではないか」との懸念が広がっている。
学校が計画案をホームページに掲載 「学生動員」を巡って議論が拡大
15日(現地時間)、台湾の聯合報などの現地メディアによると、台湾西部の雲林県にある国立土庫高級商工職業学校は11日、教育部の「2027年度学校青年服勤動員準備計画」をホームページに掲載した。しかし、議論が拡大したことを受け、学校側は翌日に文書を削除した。
問題となった文書には、台湾軍が1級・2級の警戒態勢を強化する段階に合わせ、学校が「学生勤務」「人員訓練」「動員実施」などをどのように行うかが記されていた。
一部の市民や野党関係者からは、こうした表現が単なる災害対応計画の範囲を超え、事実上、未成年の学生を国家の動員体制に組み込もうとするものではないかとの疑問が上がった。
ある情報筋は「従来の2025年版計画では、国際情勢や安全保障環境の変化に触れる程度だったが、2027年版には、中国による偽情報の拡散やグレーゾーン戦術、経済・軍事・外交面での圧力などが、国家安全保障上の脅威として具体的に明記された」と説明した。
さらに、「計画書には、台湾軍が1級・2級の戦備態勢に入った際、地方政府と学校が協力して人員や物資を支援するとの内容も含まれている」とし、「単なる災害対策計画とだけ見ることは難しい」と指摘した。
焦点となった「青年服勤動員」 計画には何が盛り込まれたのか
議論の中心となっているのは、教育部が策定した「学校青年服勤動員準備計画」だ。
この計画は、台湾内政部の「人員動員準備方案」に基づいて策定されたもので、学校で学生の危機対応能力や安全意識を高める教育プログラムとして位置付けられている。
主な内容は、全民国防教育や学校安全訓練、災害対応教育などである。学生に防災や避難の方法、応急処置、自助や相互支援など、基本的な生存に必要な技能や安全に関する知識を身に付けさせることを目的としている。
また、緊急事態が発生した際に学生が担う役割は、避難誘導、地域社会での支援、公共サービスの補助、行政支援などに限定されている。
しかし、計画書に記された「動員」「学生勤務」「国軍の1級・2級警戒態勢」などの表現がインターネット上で拡散し、「結局、学生を戦時の要員として活用しようとしているのではないか」との疑念が浮上した。
野党の立法委員(国会議員)らも、「政府は学生を戦場に送ることはないとしているが、事実上、予備の労働力として活用しようとしているのではないか」と批判した。
台湾教育部は「軍事動員の計画はない」と否定
議論の拡大を受け、台湾教育部は13日、公式見解を発表し、学生を戦時に動員するとの見方を明確に否定した。
台湾教育部は「学生を軍事作戦や軍事訓練、軍・警察の業務に投入する計画はない」とし、「『学生を戦場に送る』との主張は事実ではない」と説明した。
また、計画書に盛り込まれた「国軍の1級・2級警戒態勢強化」との表現については、中央政府の災害対応体制や行政手続きに合わせて用語を変更したものだと説明した。
教育部によると、この計画は中国による侵攻の可能性に備えた軍事動員ではなく、都市の災害対応力を高める訓練や災害対応体制を点検するための行政手続きの一環である。地方政府との協力体制や緊急時の対応手続きが適切に機能するかを確認することが目的だという。
インターネット上で広がった「学生名簿の作成」や「同意書の強制提出」との主張についても、事実ではないと反論した。
教育部は、2023年3月に高校生以上を対象とした青年服勤関連資料の整備を中止し、2024年10月には青年服勤同意書も廃止したと説明した。現在は、学校に対し、学生名簿の作成や学生から個別に同意書を取得することを求める規定もないと強調した。
教育部は「関連計画は学校の安全や災害対応能力を高めるためのもので、学生を軍事体制に組み込むことを目的としたものではない」とし、「未確認情報の拡散によって社会に不安や誤解が生じることのないようにしてほしい」と呼び掛けた。
















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