台湾、中国の軍事圧力に対抗へ…1兆円規模を投じて無人戦力を強化

台湾が中国による軍事的圧力への対抗策として、大規模な無人戦力の整備に乗り出した。台湾海峡の緊張が高まる中、2,100億台湾ドル(約1兆700億円)を投じてドローンや無人艇など約21万台の無人システムを調達する計画だという。
聯合報や中国時報など台湾メディアによると、台湾行政院は18日の閣議で国防自主無人システム調達特別条例の草案を承認したとのことだ。
同条例は予算法第83条第1項の国防上の緊急事態または戦争に関する規定を根拠に策定された。行政院は今年8月1日から2031年12月末までの6年間に特別予算を投入し、軍の無人戦力を拡充する方針だ。
調達するのは沿岸監視・偵察用ドローン1,446機、沿岸攻撃用ドローン20万8,200機、小型自爆型無人艇1,320隻で総数は21万966機に上る。
台湾政府はこうした装備の導入を通じて全体的な戦闘力を高め、国家安全保障を強化する考えを示している。中国が台湾周辺で軍事的圧力を強める中、無人システムを非対称戦力の中核に位置付ける方針だ。
台湾行政の卓栄泰院長は国防部が無人システム分野の最新技術動向を踏まえて条例案を提案したと説明した。無人システムは新たな非対称作戦の中核戦力となっており、継続的に戦闘準備態勢を強化する必要があるとの認識を示した。
また、台湾は供給網の面でも中国への依存を減らす方針だ。卓院長は中国中心のレッドサプライチェーンを排除し、中国以外のグローバルな供給網との連携を強化することで、中核部品の自国生産能力を高める考えを強調した。
さらに、無人システムの国内調達・国内生産・国内整備の体制構築も目指すとされる。平時から有事へ移行した場合でも、台湾国内の産業基盤を活用して迅速に生産を拡大できる体制を整える考えだ。
台湾国防部系シンクタンク国防安全研究院のスー・ズーユン研究員は今回の措置について、憲法の理念や立法院の決議を尊重しつつ、国益を守る政府の責務に沿ったものだと評価した。従来の作戦は主に人的戦力と火力に依存していたが、今後は無人装備が台湾防衛で極めて重要な役割を担うとの見方を示した。
今回の特別予算は少数与党の状況で削減された国防予算を補う狙いもある。台湾立法院は先月、総額1兆2,500億台湾ドル(約6兆4,000億円)の国防特別予算案を大幅に減額し、上限7,800億台湾ドル(約4兆円)の特別条例を可決した。
野党が削減した項目にはドローンの台湾国内生産や指揮統制システム、台湾と米国による共同研究開発など自主防衛や非対称戦力の強化に関わる中核事業が含まれていた。台湾政府が今回、新たな特別条例を打ち出したのはこうした予算不足を補う狙いがあるとみられる。
米国との無人システム分野での協力も加速する見通しだ。台湾メディアによると、米上院外交委員会は最近、無人システム技術や調達分野で台湾と米国の協力を推進する2026台湾ブルースカイ法案を可決したという。
同法案には台湾メーカーを米軍向けドローンのサプライチェーンに組み込む内容が盛り込まれている。台湾が無人戦力の増強と供給網の再編を同時に進めることで台湾海峡を巡る軍事・産業両面での競争は一段と激しさを増す見込みだ。













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