EU、「チャイナ・ショック2.0」対策を3年ぶり協議…対中赤字拡大でドイツも強硬路線へ

欧州連合(EU)の加盟国が、3年ぶりに「チャイナ・ショック2.0」への強硬策を協議する。中国発の衝撃で欧州産業が揺らぐ中、これを食い止めようと緊急の行動で足並みをそろえつつある。加盟国は、新たな通商戦略によって産業の空洞化を阻止する意向を示した。これまで対中政策に消極的だったドイツも強硬姿勢に転じており、より強力な対応が打ち出されるとみられている。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、EU加盟27カ国の首脳は18日、ブリュッセルで会議を開き、対中政策を協議する。議題は「世界的なマクロ経済の不均衡と、欧州の競争力・繁栄への影響」と記された。事実上「中国」を指すが、公式の名称からは外された。
今回の会議で中国が主要議題となるのは、「チャイナ・ショック2.0」が背景にある。中国製の低価格・高性能な製品が世界市場にあふれ、各国の製造業を圧迫する現象を指す。2001年に中国がWTOに加盟して以降、低価格の工業製品の輸出が急増し、米国や欧州の繊維、家具、電子機器の組み立てといった伝統的な製造業が大きな打撃を受けた。
今回は単なる低価格品にとどまらず、電気自動車やバッテリー、太陽光、ロボット、機械、人工知能(AI)関連機器など、先端製造業を中心に輸出を伸ばしている。AP通信によると、中国の輸出は米国の関税障壁を避け、欧州やアジアへ向かっている。昨年の中国の貿易黒字は1兆2,000億ドル(約194兆円)と、過去最大を記録した。
チャイナ・ショック2.0は、EUの製造業に価格競争や市場シェア、サプライチェーンへの圧力といった打撃を与えた。その結果、雇用は失われ、EUの対中貿易赤字は昨年、3,598億ユーロ(約66兆6,400億円)に上り、前年より約15%増えた。2025年度第4四半期も980億ユーロ(約18兆1,500億円)に達し、2022年度第2四半期以降で最大の水準となった。
こうした中、EUは中国への強硬策づくりに乗り出した。最も強硬なフランスは、米国のドナルド・トランプ大統領による「スーパー301条」関税措置にならうべきだと主張している。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「スーパー301条は、EUと中国の双方を標的に使われてきた」と述べ、「多角化の手段と保護の手段をどう組み合わせるか、検討が必要だ」と語った。
消極的だったドイツも強硬派に転換…EU加盟国が続々と賛同

中国にとって欧州で最大の貿易・投資相手国であるドイツも、最近になって強硬路線へとかじを切った。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相はこれまで明確な立場を示してこなかったが、ドイツ経済の停滞に中国が大きく影響しているとの報告を受け、考えを改めたと伝えられている。ドイツ経済研究所(IW)は、2019〜2025年にドイツが中国の貿易政策の影響で産業分野の雇用を約40万人分失ったと推計している。
ベルギーやギリシャ、オランダ、イタリア、リトアニアなども強硬な対応に同意した。ベルギーのバルト・デウェーフェル首相は、中国を「協力相手・競争相手・ライバル」と同時にとらえる従来の路線を捨て、強力な貿易措置を導入するよう促した。ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相も今月、「最も安い製品ばかりを求めた末に、中国製品に市場を奪われてはならない」と訴えた。
メルツ首相の方針転換を後押しした欧州改革センターのサンダー・トルドール首席エコノミストは「欧州の指導者たちが、ついに厳しい現実を直視し始めている」と指摘し、「チャイナ・ショック2.0が欧州の産業基盤を侵食している」と述べた。中道右派・欧州人民党(EPP)のマンフレート・ヴェーバー代表は「貿易赤字は1日平均で10億ユーロ(約1,851億6,900万円)に達する」とした上で、「これは容認できない結果だ。中国がEU市場を席巻しており、止めなければならない」と強調した。
一方、今回の会議は、書面では結論を出さない見通しだ。公式筋は、貿易戦争の瀬戸際に近づく中でも、双方に出口を確保するためだと説明した。ただ、会議の関係者は「何もしないと誤解してはならない」とし、「欧州委員会に非常に強力な指針を示すことになる」と語った。

















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