「葦の純情」歌手パク・イルナム、後輩への暴行騒動や事業失敗を経た波乱の人生

1960年代にデビューすると同時に30万枚という異例のアルバム販売数を記録し、「国民的歌手」の仲間入りを果たした歌手パク・イルナムが、過去の過ちを悔いながら、1人で放浪生活を続けている現在の姿が伝えられた。
かつてはビルを数十棟所有できるほどの莫大な富と名声を手にしたトップスターが、なぜ家族と離れ、放浪生活を送るようになったのか。その人生に注目が集まっている。
パク・イルナムの順風満帆だった歌手人生に影を落としたのは、短気な性格が原因で起きた暴行騒動だった。決定的な出来事となったのは、1974年に起きた後輩俳優への暴行事件である。

当時の芸能界では、映画俳優と歌手の社会的な立場には明確な差があり、歌手を俳優より低く見る風潮が広がっていた。パク・イルナムは、先輩に無礼な態度を取っていた後輩俳優を注意していた際、「歌手の端くれが人を叱るのか」といった趣旨の言葉を浴びせられ、怒りを抑えきれず平手打ちをしてしまった。この事件で、全治3週間のけがを負わせた傷害容疑により逮捕され、韓国芸能人協会から除名処分を受けるなど、大きな打撃を受けた。
学生時代からボクシングやレスリングに打ち込んでいたことに加え、その荒々しい気性も相まって、世間やメディアからは「ごろつき歌手」「暴力団の親分」のような見方をされるようになり、芸能活動の場も徐々に狭まっていった。
暴行騒動の後も、試練は続いた。1980年代に入ると、住居を持たない芸能人のためのアパート建設事業を進めたものの、事業は最終的に倒産した。
この事業の失敗をきっかけに詐欺容疑をかけられたパク・イルナムは、司法当局の追及を避けながら約6年間にわたる潜伏生活を余儀なくされた。その後、この事件では最終的に無罪判決を受けて汚名を晴らしたが、本人の心境には大きな変化が生じたという。「詐欺師と指をさされながら、どうして歌を歌えるだろうか」と考え、数百着に及ぶステージ衣装や靴をすべて処分し、自ら歌謡界を去った。
現在のパク・イルナムは、妻と3人の娘、1人の息子がいるにもかかわらず、家族とは離れて暮らし、一人で全国を転々としながら、個人事務所で寝泊まりしたりする生活を続けている。若い頃に度重なる逮捕や服役、指名手配生活によって家族に消えることのない苦しみを与えてしまったという負い目を抱えているためだ。

特にパク・イルナムは、かつて自分を巡って絶えなかった女性関係の噂について、真偽はともかく、妻に大きな屈辱と孤独を与えてしまったと打ち明けた。また、浪費が激しく家庭を顧みることができなかったにもかかわらず、黙々と子どもたちを育て上げてくれた妻への申し訳なさが、放浪生活を選んだ最大の理由だと明かしている。
パク・イルナムは、自ら犯した過ちを自ら償うという思いから、家族にこれ以上負担をかけないために放浪生活を選び、これまでの人生を振り返りながら反省の日々を送っている。













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