親と暮らす米国の若者が大きく増え、これを「独立の失敗」ではなく「経済的に合理的な選択」と受け止める空気が広がっている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、米連邦準備制度(Fed、FRB)の最新の家計経済・意思決定調査を引用し、2025年に30歳未満の成人の49%が親と同居していたと報じた。これは2019年より12ポイント上昇した数値で、このうち約3分の1は25歳以上だった。
高騰する住宅価格や家賃、学資ローンの負担などが若者の独立を遅らせるなか、米国の成人期をめぐる文化も変わりつつあるとの分析が出ている。
WSJは「20代が親の家で暮らすことは、かつては独立に失敗したことを意味し、恥ずかしいこととみなされていたが、今はもうそうではない」としたうえで、「むしろ親と暮らすことが経済的に賢い選択だという認識が定着し、一部では長期的な生活様式になっている」と伝えた。
金融サービス会社スライベントが今年春に実施した調査でも、親元に戻った米国の若者の約55%が、最大の理由として経済的な事情を挙げた。

こうした状況を隠さず、自身を「実家暮らしの娘(stay-at-home daughter)」や「実家暮らしの息子(stay-at-home son)」と紹介し、SNSで日常を共有する人もいる。
実際、ニューヨーク・マンハッタンに住んでいたサマンサ・ストボさん(33)は、恋人と別れた後、1人ではアパートの家賃を負担できなくなり、母親が暮らすフロリダ州マイアミの家に移った。
29歳の時点では数カ月だけ滞在するつもりだったが、3年が過ぎた今も母親と同居している。TikTokで母親との日常を共有しているストボさんは「誰も私を否定的に見ない」とし、「『本当にいいね。お金もたくさん貯めているんでしょう』という反応がほとんどだ」と話した。
ミシガン州に住むケイシー・ライトさん(28)も、相次いで2度失職した後、親元に戻った。親に家賃は払っていないが、買い出しや料理、芝刈りなどの家事を担っている。
WSJは、新型コロナウイルスのパンデミック時に親元へ戻った若者の多くが、その後の記録的な物価上昇や家賃の急騰により、想定よりはるかに長い期間、親と暮らすことになったとも伝えた。
テンプル大学心理学科のローレンス・スタインバーグ教授は「親と暮らすことが、この年齢層の米国人にとって最も一般的な居住形態となった」と分析した。

こうした変化は、米国の住宅政策にも影響を与えている。最近、米国の一部の州では、親の家の敷地内に「離れ」型の付属住宅(ADU)を建てやすくするため規制を緩和しており、住宅建設会社も成人した子どもや親が一緒に暮らせる多世代住宅の供給を広げている。
ワシントンDC都市圏の不動産仲介業者、ケビン・グロリグ氏は「成人した子どもが引き続き親と同居するため、コンパクトな住まいへの住み替えを予定していた顧客が、計画を先送りするケースが増えている」と説明した。













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