
【引用:Skyeton】ロシアとの戦争が4年目に入ったウクライナが、水素燃料電池と電動モーターを搭載した偵察用無人機(ドローン)を実戦投入した。水素由来の電力で飛行する無人機が戦場で運用されるのは、世界初とされている。偵察任務では長時間の滞空が不可欠とされ、従来は内燃機関を搭載した無人機が主流だった。ウクライナがあえて新たな動力方式を導入した背景には、戦場で致命的となり得る「騒音」と「熱」を抑える狙いがある。

【引用:Skyeton】ウクライナの無人機メーカー、スカイエトン(Skyeton)は公式資料の中で、自社製無人機「レイバード(Raybird)」が先月から前線で運用されていると明らかにした。Raybirdは、レーダーや各種センサーを用いて敵地上部隊の動向や位置を把握する偵察専用機で、武装は施されていない。翼幅は4.5メートル、巡航速度は時速110キロ、最高飛行高度は約5500メートル。外観や基本的な飛行性能は、中小型の軍用無人機として標準的な水準にある。

【引用:Skyeton】Raybird最大の特徴は、その動力源にある。水素燃料電池と電動モーターを組み合わせ、機首のプロペラ1基で飛行する構成を採用した。水素燃料電池と電動モーターを用いた無人機自体は、これまでにも一部の国で開発例があったが、多くは試作機や民生用途にとどまっていた。軍事任務を担い、実際の戦場で運用されるのはRaybirdが初とみられている。水素燃料電池は、内部の電解質膜によって水素イオンのみを通過させ、電子の移動によって電力を生み出す超小型発電装置だ。外気から取り込んだ酸素との反応で生じた電力が、電動モーターを駆動する。

【引用:Skyeton】翼幅4.5メートル級の無人機では、現時点でも内燃機関が一般的な選択肢とされてきた。小型無人機で広く使われるバッテリーでは、3時間以上の滞空が難しく、偵察任務には不十分だからだ。Skyetonは、Raybirdと同規模の内燃機関型無人機をすでに保有しており、それをベースに機体を改修。水素燃料電池と電動モーターを組み込んだ新モデルを開発した。開発期間は約2年に及んだという。

【引用:Skyeton】新たな動力方式がもたらす最大の利点は、飛行中の騒音と発熱を大きく抑えられる点にある。水素燃料電池は静かな化学反応で電力を生み、電動モーターも作動音が極めて小さい。Skyetonによれば、Raybirdの騒音レベルは約60デシベルに抑えられている。一方、内燃機関型無人機では約100デシベルに達し、地上部隊に発見されるリスクが高かった。熱の面でも差は大きい。電動モーターの温度は約50度、水素燃料電池も約70度程度にとどまるのに対し、内燃機関は500度を超えることも珍しくない。発生した熱は赤外線探知の格好の目印となる。

【引用:Skyeton】水素燃料電池と電動モーターを組み合わせたRaybirdは、放出する熱が少ない「低温無人機」と言える。赤外線追尾ミサイルやセンサーに捕捉されにくく、撃墜を免れて基地へ帰還し、より多くの偵察情報を持ち帰れる可能性が高まる。一方で課題も残る。Raybirdの滞空時間は最大12時間とされ、同社が保有する同規模の内燃機関型無人機(約28時間)には及ばない。偵察任務では滞空時間の長さが情報量を左右するため、この差は無視できない。

【引用:Skyeton】Skyetonは今後の技術改良によって、滞空時間を20時間まで延ばす方針を示している。水素無人機が戦場の新たな標準となるかどうかは、今後の改良と実戦での評価に委ねられることになりそうだ。













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