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中国への“NVIDIA製AIチップ”輸出再開を許可したトランプ政権の狙いとは?レアアースとの交換だけではない、アメリカの凄まじい戦略計算があった

織田昌大 アクセス  

引用:CoinNess
引用:CoinNess

アメリカのトランプ政権は、中国への輸出が再開されるエヌビディア製AIチップ「H20」について、「最も性能が低い旧型モデル」であり、戦略的に大きな意味はないとの立場を示した。そのうえで、むしろ中国企業が米国のAI技術に依存し続けることこそが、米国にとって有利だとする見解を強調した。

15日(現地時間)、米商務省のハワード・ラトニック長官は「H20は旧型チップだ。バイデン政権は販売を許可したが、我々はその決定を見直した。今ではエヌビディアはさらに新しいチップを発表している」と述べた。

エヌビディアは今年3月、年次開発者会議で最新AIチップ「ベラ・ルービン」を披露し、昨年発表した「ブラックウェル」チップの販売も開始している。H20は同社のホッパー世代技術を基盤としているが、米国内で主力となっているH100やH200に比べれば、性能面では明らかに劣る。

それでも中国企業は、処理速度が遅く低性能なH20にも満足しているという。ラトニック長官は「H20は性能面で最も劣る。2番目でも3番目でもない。4番目のチップを中国に売るのは構わない」と語った。

さらに長官は「我々は常に、中国が自力で作れるレベルより一段上のチップを開発し、それより下のスペックの製品のみを中国に輸出する。それがトランプ大統領の基本方針だ」と述べた。

AIと仮想通貨政策を統括するデービッド・サックス氏も同日、「アメリカのAI技術は『デジタル基軸通貨』のようなものだ。我々はAIを世界標準にしたい」と発言。AIチップの優位性を維持するための「戦略的依存構造」を構築する狙いが透けて見える。

レアアースと交換でH20輸出許可 米中の裏交渉が明るみに

H20チップの中国向け輸出が再び許可された背景には、希土類(レアアース)をめぐる米中交渉の存在がある。ラトニック長官は「バイデン政権はH20輸出を許可していたが、我々が一度阻止した。その後、レアアースに関する合意が成立し、H20の販売再開が決まった」と語った。

この合意とは、6月にロンドンで開催された第2回米中貿易交渉で、中国が対米希土類輸出規制を緩和する見返りに、米国が対中輸出規制の一部を解除するというもの。エヌビディアのH20輸出再開も、その「バーター取引」の一環だった。

スコット・ベッセント財務長官も「H20の輸出許可は、我々がジュネーブとロンドンで交渉カードとして活用した」と明かし、今年5月のスイス・ジュネーブと6月のロンドンでの交渉において、H20規制の扱いが主な議題になっていたと認めた。

エヌビディアはもともと、バイデン政権下で高性能AI半導体の対中輸出が制限される中、制裁に抵触しない低性能モデルとしてH20を開発し、2022年から中国向けに出荷していた。だがトランプ政権は4月以降、H20の輸出にも政府の許可を義務づけるなど、再び規制を強化していた。

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