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【報復攻撃】ロシアとウクライナ、和平協議控え互いの「ガス・石油施設」を破壊…士気低下・供給混乱が狙いか

梶原圭介 アクセス  

和平協議控え露・ウクライナ、エネルギー施設へ報復攻撃…士気低下・供給混乱が狙いか

平和交渉前に相手の立場弱体化を図る

政治的・経済的困難を強いる意図

引用:Newsis
引用:Newsis

ウクライナとロシアが互いのエネルギー関連施設を集中的に攻撃しており、これは和平協議を仲介する米国へのシグナルでもあると、米紙ニューヨーク・タイムズが26日(現地時間)報じた。

ロシア・サンクトペテルブルク近郊のガスターミナルやウクライナ南部の石油貯蔵施設、ロシアの欧州向け送油管が破壊・稼働停止に追い込まれた。

ウクライナ軍は今月だけでロシアの石油施設を少なくとも10回攻撃したと主張し、ロシア当局もそのうち半数を認めている。専門家によれば、これによりロシアの石油精製能力の6分の1が一時的に停止し、ガソリン価格が急騰した。

一方ロシア軍も、ウクライナの主要なガス・石油施設や発電所、電力網を標的に攻撃を強化している。冬を前にウクライナを追い込む狙いとみられる。

ウクライナのイゴール・クリメンコ内相は25日、「過去10日間で変電所、製油所、火力発電所など少なくとも20カ所が被害を受けた」と明らかにした。

ロシア、ウクライナは互いにエネルギー施設を攻撃してきたが、戦争遂行能力そのものを大きく削ぐには至っていない。それでも政治的・経済的困難を相手政府に強いることを狙い、攻撃を継続している。

ロシア、ウクライナ国民の士気を挫く狙い

ロシアはウクライナの電力網を破壊して国民の士気を挫こうとしており、ウクライナはロシアの石油施設を狙い供給を混乱させ、主要な財源を断つことを目指している。

最近のエネルギー施設攻撃の応酬は、米国が仲介する和平協議を前に、両国が主導権を握ろうとする動きの一環とされる。戦争を長期化させる余力はないと相手に圧力をかけつつ、米国には「戦争を優位に進め、継続する意思がある」と示す狙いもある。

米政府は3月、平和仲介の一環としてエネルギー施設攻撃の停止合意を両国に迫り、一時的に攻撃が収束。ホワイトハウスは「平和に向けた信頼醸成措置」と歓迎した。しかし今夏、協議再開の動きに合わせ両国は再び攻撃を始めた。

ロシアは6月中旬、ウクライナ中部クレメンチュークの主要製油所を攻撃し、深刻な被害を与えた。さらに開戦以降控えてきたウクライナの天然ガス施設への攻撃にも踏み切った。ロシア産ガスを欧州へ輸送するガスパイプラインがウクライナを通過しているため、従来は自制していたものだ。

ウクライナの集合住宅の暖房システムは多くがロシア産ガスに依存し、肥料や化学製品の原料の半数以上も天然ガス由来とされる。今回の攻撃でウクライナは年間需要の5%に相当する約10億立方メートルの供給を失ったとされ、ウクライナ政府は冬の暖房期を前に欧州からの緊急調達資金を確保せざるを得なかった。

ウクライナも報復としてロシアの石油施設を攻撃した。

製油所への被害により、ロシアのガソリン価格が急騰

長距離ドローンによる南部・中部の製油所攻撃で大規模火災が発生し、稼働が停止した。クライナが攻撃した製油所の中には、ロシア南部最大規模で、ロシア上位10施設に入るヴォルゴグラードのルクオイル製油所も含まれる。ロイター通信によれば、ウクライナの攻撃でロシアの精製能力の17%が失われたと推定される。

西側制裁で主要部品の調達が困難なため、破壊された施設の復旧には従来より長期を要する見通しだという。

また、ウクライナ側はロシア軍の装備運用妨害、輸出収入減少、国民生活の混乱を狙うとするが、実際にはロシア軍の作戦に大きな影響は出ていない。ロシアは余剰精製能力を持ち、輸出の中心も精製油ではなく原油であるためだ。

それでもロシア国内ではガソリン価格が1カ月で12%上昇し、供給不足が広がった。ロシア政府は7月末、今月末までのガソリン輸出禁止を発表し、25日には延長を決めた。

ウクライナ軍はさらに、ハンガリーとスロバキアに対してロシア原油を供給するパイプラインへの攻撃も実施した。両国はロシアに友好的な立場を取っており、ウクライナには敵対的である。

これに対し、ハンガリーのビクトル・オルバン首相は激怒し、ドナルド・トランプ米大統領に抗議の書簡を送付した。トランプ大統領も「非常に怒っている」と返答したと伝えられている。

しかし、ウクライナ側はトランプ大統領を意に介さず、攻撃を担ったウクライナ軍関係者は「主導権が我々にあることを示した」と強調した。

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