
日本の法務省は、非上場企業における迅速な意思決定を促すため、株主総会の「書面決議(みなし決議)」の要件を大幅に緩和する方針を明らかにした。現在は株主全員の同意が必要とされているが、今後は議決権の90%以上を保有する株主の賛成があれば成立する仕組みに改める案が検討されている。
「日本経済新聞」によると、法務省は法制審議会での議論を経て、2026年度以降の会社法改正を目指す。今回の見直しは、特にスタートアップを含む非上場企業の成長を後押しする狙いがあるとされる。
現行制度では、株主総会の書面決議は「みなし決議」と呼ばれ、総会を開催せずに書面やオンラインで議案への賛否を集める方式だが、株主全員の同意が必要とされている。そのため、1人でも反対、あるいは意思表示をしない株主がいれば、決議は成立しない。
この要件により、株主数の多い上場企業では事実上利用が困難なほか、非上場企業でも株主と連絡が取れない場合、経営判断が滞るなど実務上の支障が生じているとの指摘がある。
TMI総合法律事務所の小川修也弁護士は、「設立時に複数の株主がいるスタートアップでは、この問題に直面する可能性が高い」としたうえで、「すでに会社を離れた株主と連絡が取れず、経営判断に支障が出るケースもある」と説明している。
法務省は今回の法改正を通じて、増資などスタートアップが事業拡大を進める際の手続きを簡素化する狙いだ。立教大学の松井秀征教授(会社法)は、「突発的に取締役の交代が必要になる場合など、予期せぬ事態に備える観点からも一定の需要がある」と評価している。
一方で、実際の株主総会では反対意見を踏まえて他の株主の判断が変わることもあり、慎重な制度設計が必要だとの声もある。
法務省は株主保護の観点から、議案通知後1週間以内に反対を表明する株主がいれば書面決議を成立させない仕組みも併せて検討している。詳細は1月に開かれる法制審議会部会で議論される予定だ。
また法制審議会では、株主総会を巡る企業側の負担軽減策についても検討が進められている。事前投票による議決を認め、総会を企業と株主の自由な討論の場と位置付ける新制度の創設や、株主提案権に必要な議決権数要件の撤廃または引き上げなども議題となっていると、「日経」は伝えている。














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