ドナルド・トランプ米大統領が昨年、世界各国を対象に課した関税に伴う追加コストのうち、96%を米国の企業と消費者が負担していたとする研究結果が公表された。

ドイツのキール世界経済研究所(IFW)は19日(現地時間)、「米国の自滅:関税は誰が払うのか」と題する報告書を発表した。総額4兆ドル(約632兆円)規模の貿易データ2,500万件を分析したところ、輸出企業が関税コストを自社で吸収した割合は4%にとどまり、残る96%は米国側の買い手に転嫁されていたという。
報告書は、貿易量が急減しても輸出価格は下がらなかったとも指摘した。実例として、昨年8月にロシアとの貿易を理由に50%の高率関税が課されたブラジルとインドでは、米国向け輸出が最大24%減少した一方、輸出単価に目立った変化は見られなかったとしている。
トランプ大統領は昨年4月以降、相互関税などの措置を広げ、関税コストは外国企業が負担するため米国内の物価上昇は起きないとの認識を示してきた。これに対し報告書は、関税は輸入品に上乗せされる一種の「消費税」のように機能すると位置付け、企業は長期的に利幅が圧迫され、消費者はより高い価格に直面し得ると述べた。
IFWのジュリアン・ヒンツ研究員は、外国が関税を負担するという主張は根拠に乏しいとした上で、データはむしろ米国側が代償を払っている事実を示しているとの見解を示した。さらに、米国向けに輸出する国々は販売量の減少に加え、新たな市場開拓を迫られるとして、結局は「誰にとっても不利だ」との認識を示している。
フリードリヒ・メルツ独首相も同日、関税は通常、輸入する国の人々が負担すると説明し、このケースでは米国の消費者だと語った。その上で、欧州、とりわけドイツ経済にも悪影響が及ぶとの見方を示した。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、この研究結果がトランプ大統領の中核的主張と食い違うと報じ、欧州との貿易摩擦が再燃しかねない局面で不利に働く可能性があると伝えた。トランプ大統領は17日、デンマーク領グリーンランドの併合に反対する欧州8か国に対し、来月1日から関税を10%上乗せすると表明した。この方針が実施されれば、昨年合意した相互関税に加え、対象8か国のうちフランス、ドイツ、オランダなど欧州連合(EU)加盟国からの輸出品には25%、英国産には20%の関税率が適用される見通しだ。
















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