
日本製鉄が2026年3月期の連結最終損益で700億円の赤字を記録する見通しだと日本経済新聞(日経)が6日に伝えた。これは前年度の3,502億円の黒字から急激に悪化した数値で、既存の予想より赤字幅が100億円拡大した。
業績悪化の主な原因は昨年12月北海道室蘭市の製鉄所で発生した火災だ。鉄を抽出するために高炉に熱風を送る「熱風炉」施設で発生した火災により高炉生産が一時中断され、400億円の利益減少要因が発生した。日本製鉄の岩井尚彦CFOは記者会見で、原因は現在調査中だが、3月末には高炉に火を入れたいと述べた。
中国の過剰生産によるグローバル鉄鋼市場の環境悪化と日本国内の鉄鋼需要の停滞も約200億円規模の利益減少要因として作用した。ただし市場では原鋼生産量と鋼材平均価格の下落が一旦止まっているとの分析が出ており、今後の需給改善の有無に関心が集まっている。
本業の収益を示す事業利益は前年比39%減の4,200億円と見込まれ、300億円下方修正された。在庫評価差などを除いた実力ベースの事業利益は22%減の6,200億円で600億円の減少が予想される。売上収益の見通しは15%増の10兆円で既存予想を維持した。
2025年に買収を完了した米国の鉄鋼大手USスチールの今四半期の利益寄与は反映されていない。北米地域の歴史的な寒波により輸送に支障が生じ、USスチール製鉄所の一部で鋼材出荷が中断され、電力および天然ガス価格も急騰しており、事業環境の不確実性が高いと会社側は説明した。
しかし2027年3月期を前にしてはポジティブな要因も現れている。米国の調査会社スチールベンチマーカーによると、製造業で広く使用される熱間圧延鋼板「ホットコイル」の価格が1月12日現在で1トン当たり983ドル(約15万4,543円)に回復傾向を示しているという。これは関税施行後の価格のピークだった2025年4月下旬と比較して4%減少した水準まで回復したものだ。
岩井CFOはUSスチールの2027年3月会計年度はそれに相応する収益回復を期待していると展望した。競合他社も2026年の増産計画を立てており、市場回復への期待感が高まっている。
米国の大手電炉メーカー、ニューコアは2026年の米鉄鋼出荷量が前年比5%増加すると予想している。スチール・ダイナミクスは「自動車生産は2025年と比べて横ばいが続く一方、データセンターなど非居住建設は堅調な需要が続いている」と分析した。
米トランプ政権の関税効果と人工知能(AI)特需が追い風になる可能性も指摘されている。立花証券の鈴木博行アナリストは「次会計年度にはUSスチールの利益寄与が最も不確実な要因だ」とし、「改善の余地が大きい」と指摘した。
USスチールの買収に関連する資金動向も注目されている。日本製鉄は買収資金として約141億ドル(約2兆2,167億円)をメガバンク3行から連結貸付で調達しており、2026年6月頃まで再融資を予定している。岩井CFOは「最適な調達を進めていく」と説明したと日経は伝えた。
















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