
米国連邦最高裁判所が相互関税を違法と判断した後も、日本は米国との結び付きを強めている。欧州連合(EU)やインド、英国、韓国、台湾などが反発したり慎重姿勢を崩さなかったりする中、日本は対米投資を世界でも最速ペースで拡大しつつ、中国とは距離を広げている。
日本銀行の植田和男総裁は、26日に公開された読売新聞のインタビューで、米国のトランプ政権が課す15%の世界一律関税について、従来から適用されてきた関税が15%だったため日本への大きな影響はないとの見方を示した。高市早苗首相も25日の参議院本会議で、日米合意への影響を高い関心を持って注視すると述べる一方、3月末の訪米に言及し、米国のドナルド・トランプ大統領との信頼関係をさらに強固にすると語った。
相互関税を違法とする判断が出る可能性は、米国内の法曹界や投資業界を通じて高いとみられていたが、日本は判断が出る直前、世界に先駆けて対米投資の第1号を確定させたという。
他国が慎重になる局面を突き、日本が米国の最優先の同盟国としての立ち位置を強めつつ実益を得ようとしている、との見方が出ている。対米投資第1号の中心とされるガス火力発電プロジェクトは、ソフトバンクグループのほか、パナソニックホールディングス、村田製作所など約20社が参加する連合体が主導するとされる。生成AIなどで需要が膨らむ米国内データセンターの要所を、日本企業が押さえる構図だ。
この流れは、日本が進める半導体産業の立て直しにも追い風となり得る。先端半導体を手がけるラピダスは、米国のIBMから技術移転を受け、先端品の生産に向けた取り組みを進めている。
為替面でも、日本は米国との連携で市場安定の効果を得たとされる。1月に円安が進んだ局面で米国が実施したレートチェック(為替レート照会)について、日本経済新聞などは、日本側の要請ではなく米国のスコット・ベッセント財務長官の主導で行われたとの見方を報じた。レートチェックは当局の市場介入に結び付くことが多く、実際の介入がなくても「照会があった」という情報だけで相場が落ち着く場合がある。
1月中下旬の日本の債券市場では、国債40年物利回りが4%台に乗せるなど異例の動きが出た。債券売りの圧力は米国にも波及し、米国債10年物利回りは一時4.3%台まで上昇したが、レートチェック後は4.0%台まで低下したという。ドル円相場も158円台から155円台へと落ち着いたとされる。
高市首相が円安を容認する趣旨の発言を行う中で、米国が黙認する可能性も取り沙汰されている。円安と米国の高金利環境は、日本の対米投資の誘因を強め得るためだ。
一方で日本は、中国とは政治に続き経済面でも摩擦を深めている。中国商務部は24日、日本の軍事力強化に寄与したとして、三菱重工業など日本の企業・機関20件を輸出管理リストに含めたと発表した。これに対し、中国国営中央テレビ(CCTV)系ソーシャルメディアの玉淵譚天は、自国の合法的利益を侵害する行為には中国がいつでも反撃する用意があると強調した。
















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