
ウクライナをはじめ、欧州上空を脅かしてきたイラン製攻撃用無人機(ドローン)「シャヘド136」が、中東戦場の重要な変数として浮上している。2日(現地時間)、英紙ガーディアンによると、イランは先月28日に米国とイスラエルの空爆が始まって以来、バーレーンやクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国に向けて1000機以上のドローンを発射したとみられる。
このうち相当数がシャヘド136である可能性が高い。UAEは同日午後までに689機のドローン攻撃を受け、そのうち645機を撃墜したと明らかにした。44機、全体の約6%が防空網を突破した計算になる。
バーレーンで撮影された映像には、イランの三角翼ドローンが夜間に高層ビルへ突入する様子が映っていた。また別の映像では、米海軍第5艦隊が駐留するバーレーン海軍基地上空を飛行していたドローンが急降下し、レーダードームを破壊する場面も確認された。クウェートやUAE、キプロスのアクロティリにある英国空軍基地でも同様の攻撃が報告されている。
シャヘド136は2010年代後半にイランで開発された。機体の長さは約3.5メートル、翼幅は約2.5メートルで、1機あたりの価格は5万ドル(約785万4,000円)とされる。年間数十発程度しか生産できない弾道ミサイルと比べ、製造が容易でコストも低い。最大航続距離は約2000キロに達する。事前に設定された複雑な飛行経路をたどりながら地表付近を低空飛行し、レーダー探知を回避するよう設計されている。
搭載可能な爆薬は約50キログラムで、高層建築物にも被害を与えることが可能とされる。独特の騒音と比較的大型の機体、そして目標へ急降下する攻撃方式は強い心理的恐怖を引き起こす。ウクライナ戦場ではジェットエンジンを搭載した高速改良型も確認されている。
シャヘドドローンはロシアとウクライナの戦争で特に発電所や暖房施設などのインフラ攻撃に多用された。その結果、ウクライナ各地で電力不足と暖房危機が発生し、数十万世帯が影響を受けた。イランが同様の戦術を中東で展開すれば、エネルギーや基盤インフラに大きな影響が出る可能性があるとガーディアンは分析している。
イランのドローン攻勢は、バーレーンからUAEに至る米国と同盟国の防空網に大きな負担を与え、武器在庫を急速に消耗させている。
ブルームバーグ通信は「1発400万ドル(約6億3,000万円)に達する迎撃ミサイルで、数万ドル規模のドローンを撃墜する状況は、ウクライナ戦争初期から指摘されてきた構造的問題を改めて浮き彫りにしている」と指摘した。
同通信は、この状況が続けばイランと米国の双方が数日から数週間以内に兵器不足に直面する可能性があると分析している。最終的には、より長く持ちこたえた側が戦略的優位を確保する可能性が高いとしている。













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