米・イラン戦争でデータセンターが攻撃対象に

米・イラン戦争によってアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の中東データセンターが相次いで攻撃を受け、クラウド依存リスクとデータ主権の問題が注目を集めている。国家間の紛争においてクラウドインフラが主要な標的になり得ることが確認されたことで、各国が「ジオパトリエーション(地政学的移転)」戦略に乗り出すとの見方が強まっている。
8日、海外メディアとAWSなどによると、アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンにあるAWSのデータセンター3拠点がイラン・イスラム革命防衛隊の攻撃を受け、大きな損傷を受けた。これにより、現地の金融ソフトウェアやアプリケーションが正常に動作しなくなり、混乱が続いているとされる。
サーバーや各種インフラを集約したデータセンターの運営と大規模なデータ管理能力が不可欠であるため、クラウドサービスはアマゾン、マイクロソフト(Azure)、グーグルといった大手テック企業が提供している。多くの企業や国家がこれらのクラウドに依存しているが、現在のような地政学的緊張が高まる局面では、その高い依存度が紛争と無関係な国や企業にまで影響を及ぼしかねない。例えば、米財務省がイラン関連機関への制裁に踏み切れば、米クラウド事業者はイランと関連するサービスを停止しなければならない。中東地域のクラウドを基盤とするサービスやデータが人質に取られるリスクも排除できない。AWSのようにデータセンターが直接攻撃を受けるケースはなおさらだ。
リスクは戦時に限らない。米捜査機関は「クラウド法(CLOUD Act)」に基づき、犯罪やテロ捜査などを理由に自国企業が保有するデータへのアクセスが可能だ。他国の機関や企業がグーグルやAWSのクラウドに保管している情報も、米司法当局が閲覧できる。米国本土以外の海外データセンターに保存されていても、運営会社が米国法人であれば情報が開示される可能性がある。
市場調査会社ガートナーが今年の戦略技術トレンドとして「ジオパトリエーション」を選定したのも、こうした背景からだ。ジオパトリエーションとは、地政学(Geopolitical)と本国送還(Repatriation)を組み合わせた造語で、データやサービスの運用基盤を海外クラウドから自国インフラへ移転する戦略を指す。欧州では戦争以前から動きが見られていた。昨年、デンマークとドイツの一部州政府がマイクロソフトのクラウド利用を停止し、ベルギーは連邦政府独自のクラウド戦略とデータセンターの現状分析を進めている。ガートナーは、欧州・中東企業のうち自国または近隣のクラウドへデータを移転する割合が、2030年には75%を超えると予測している(昨年は5%未満)。米・イラン戦争がこの流れをさらに加速させるとの見方も出ている。
ただし、グローバルなクラウド企業の技術的安定性を考慮すると、ジオパトリエーションへの移行は容易ではないとする見方もある。高麗大学技術経営専門大学院のイ・ソンヨプ教授は、「技術力やインフラの面で、クラウド市場における米国中心の構造が短期間で崩れるのは難しい」と述べたうえで、「重要度に応じてデータを分散配置するマルチクラウド戦略の検討も必要だ」と指摘した。
















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