
米政府が原油価格の急騰を抑えるため、ホルムズ海峡でタンカーを護衛する作戦の開始方針を示したものの、実際の投入時期については慎重な姿勢を維持している。イランによる地対艦ミサイルやドローン攻撃の危険性が想定以上に高く、米軍の人的被害を懸念しているためとみられる。
12日(現地時間)、米メディアのザ・ヒルなどによると、スコット・ベッセント米財務長官はホルムズ海峡でのタンカー護衛開始時期について「軍事的に安全確保が可能になり次第、着手する」と述べたが、具体的な日程には言及しなかった。これは当初「必要なら直ちに護衛する」としていたドナルド・トランプ米大統領の発言と温度差があるとの指摘も出ている。
専門家らは、海峡の狭い地形が米軍にとって大きなリスクになると指摘している。米シンクタンクのハドソン研究所のブライアン・クラーク研究員は「海岸線と航路の距離はわずか5~6kmしかなく、イランがミサイルを発射した場合、対応できる時間は数分程度にとどまる」と説明し、米艦船が攻撃の標的になる可能性を警告した。
また、元ホワイトハウス補佐官のジョン・カービー氏も「軍艦がタンカーを護衛しても、低高度で接近するドローン攻撃を完全に防ぐのは難しい」と述べ、作戦の限界を指摘した。
米政界からの批判も強まっている。コネティカット州選出のクリス・マーフィー上院議員(民主党)は非公開ブリーフィングの後、SNSに「政府にはホルムズ海峡を再び開放するための計画がない」と投稿し「イランによる封鎖を安全に解除する方法を全く理解していない」と批判した。
イランの革命防衛隊(IRGC)は「イスラエルと米国の攻撃が止まらない限り、石油は一滴たりとも通過させない」としてホルムズ海峡の封鎖を続けている。戦闘開始以降、周辺海域では少なくとも19隻の商船が攻撃を受けたとされる。
トランプ大統領は「イランの船はすべて撃破しており状況は良好だ」と楽観的な見方を示しているが、市場では米国の対応の遅れを懸念する声もあり、原油価格の不安定要因になっていると報じられている。













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