トランプ大統領の5月訪中控え
習近平主席との会談実現が焦点
台湾問題、米中交渉の材料にも
台湾最大野党・国民党の鄭麗文主席が7日から12日まで中国を訪問する。国民党主席の訪中は2016年以来、約10年ぶりでドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談を約1カ月後に控えた時期だけに中国と台湾関係だけでなく、米中関係にも少なからぬ影響を及ぼすと見込まれている。
7日付の台湾・聯合報によると、鄭主席はこの日、台湾を出発し、上海到着後、8日に台湾の国父孫文が葬られている南京中山陵を参拝するという。その後、9日に北京へ向かう予定だ。今回の訪中には副主席の張榮恭氏、蕭旭岑氏、李乾龍氏のほか、大陸事務部主任の張雅屏氏、青年事務発展委員会トップの連勝武氏らが同行する。

国共会談の関係者も同行、習主席との会談は実現するか
同行メンバーのうち張榮恭氏は2005年の国共会談(台湾国民党と中国共産党間の指導者の会談)を支えた関係者の一人で、連勝武氏は当時の国民党主席だった連戦氏の息子だ。今回の訪中が単なる交流拡大にとどまらず、過去の国共協力の延長線上にあるとの見方が出ているのはそのためだ。
中国側の招待発表形式も異例だった。中国は国務院台湾事務弁公室の報道官ではなく、党中央台湾工作弁公室主任を通じて招待の事実を公表し、従来より格を上げた。香港・星島日報など中華圏メディアはこれについて、中国が鄭主席の訪問を重要視していることを示すものだと解釈した。鄭主席も就任から160日余りで訪中に踏み切り、スピード感をみせている。
今回の訪中で焦点となるのは、習近平主席との会談が実現するかどうかだ。実現すれば、現職の国民党主席と習主席の会談は約10年ぶりとなる。鄭主席は今月1日にも、習主席との会談の必要性を強調していた。
鄭主席の訪中の焦点は習主席との会談の有無だ。会談が実現すれば、習主席が国民党主席と会うのは10年ぶりとなる。両岸関係が安定していた2015年には国民党政権下で当時の朱立倫主席が習主席と会談し、民進党政権発足後の2016年10月には、当時の洪秀柱主席が野党代表として中国を訪れた。鄭主席は今月1日、習主席との会談について「回避できない歴史的任務だ」と述べ、会談の必要性を強調した。
米中首脳会談を前に「台湾カード」浮上
今回の訪中は米中関係とも絡んでいる。中国はトランプ大統領の5月中旬の訪中を前に鄭主席を招き、これを通じて台湾問題に対する立場を再確認し、外交面での主導権確保を狙っているとみられる。

特に台湾を巡る軍事・安全保障問題は米中対立の核心的な変数だ。米国の対台湾武器売却は両国間の主要争点で、5月の首脳会談でも重要議題として扱われる可能性が高い。米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権は今年2月、約130億ドル(約2兆800億円)規模の台湾武器売却を進めたが、中国の反発を考慮して発表を見送った。ロイター通信や香港明報は、トランプ大統領が訪中後に大規模な武器売却を承認する可能性が高いと報じている。武器売却の有無だけでなく、発表時期まで交渉カードとして活用されているとの分析だ。
台湾内部では、中国寄りとされる国民党が米国製兵器の購入計画を盛り込んだ民進党の特別国防予算条例の成立を阻み、軍事・安全保障路線を巡って民進党との対立を強めている。国民党は反中傾向の頼清徳(らい・せいとく)総統に対する弾劾手続きにも着手し、政治的圧力を強めている。ただし、実際の罷免よりも攻勢の色合いが濃く、実際の罷免に至る可能性は低い。
こうした中、鄭主席は訪中を巡る「親中・反米」という構図に線を引いている。鄭主席は4日の米NBCとのインタビューで「中国大陸との関係強化が米国との関係を損なうことにはならない。それはゼロサムでも二者択一でもない」と述べた。さらに「人々は台湾が『ウクライナの次』になることを望んでいない」とし、戦争回避のための緊張緩和の必要性を強調した。
一方、頼総統は鄭主席の対中融和路線に警戒感を示した。頼総統は5日「権威主義勢力と手を握り、交流し、妥協して主権を放棄すれば平和を得られると考える人もいる」とし「しかし、真の平和は権威主義に屈したり妥協したりして得られるものではないことを歴史は私たちに教えている」と述べた。













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