
ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相(62歳)は12日(現地時間)、総選挙での敗北を認めた。これにより、16年続いた政権に終止符が打たれ、首相職を退くことになった。欧州の右派ポピュリズムの象徴とされてきたオルバーン首相は、米国のドナルド・トランプ大統領やロシアのウラジーミル・プーチン大統領の支持を受けてきた。
AP通信やユーロニュースによると、オルバーン首相は同日、ブダペストで支持者に対し「痛みを伴う敗北だ」と述べる一方、勝利した政党に祝意を示した。また「我々は野党となっても、ハンガリー国民と祖国のために尽くす」と語ったとのことだ。
中道右派の野党指導者であるマジャル・ペーテル氏(45歳、ティサ党代表)は同日、「Facebook」で「オルバーン首相から先ほど電話があり、我々の勝利を祝福された」と明らかにした。
ハンガリーの国家選挙管理委員会は、同日午後9時30分時点で開票率は45.7%となる中、ティサ党は全199議席のうち135議席を獲得し、憲法改正が可能となる3分の2以上の議席を確保する見通しだと伝えた。
一方、オルバーン首相率いるフィデス=ハンガリー市民同盟は57議席にとどまる見込みとなっている。
ハンガリー総選挙の投票率は、午後6時30分時点で77.8%に達し、2002年総選挙の70.5%を上回って過去最高を記録した。
オルバーン首相は過去16年の政権運営において、少数派の権利や報道の自由を抑圧し、多くの政府機関を弱体化させたほか、国庫資金を同盟関係にある経済エリートに流出させたとの批判を受けている。
また、プーチン大統領と緊密な関係を維持し、ロシア産化石燃料の調達停止を拒否してきた。さらに、オルバーン政権の高官がEUの機密情報をモスクワに共有したとされ、物議を醸したこともあった。
さらに、欧州連合との関係悪化を招いたとの指摘もある。ロシアと戦争状態にあるウクライナを支援するための900億ユーロ(約16兆8,500億円)規模の融資案に対し、拒否権を行使した。
一方、マジャル氏はフィデス党の内部関係者だったが、2024年に離党してティサ党を結成し、経済の停滞や蔓延する汚職などの民生問題を批判しながら支持を広げてきた。
とりわけ今回の総選挙を、ハンガリーがオルバーン体制の下でロシア寄りの路線を続けるのか、それとも欧州の民主主義社会の一員として本来の立場を取り戻すのかを問う「国民投票」と位置づけ、支持を呼びかけていた。
オルバーン首相は、ドルジバ・パイプラインの稼働問題を契機にウクライナの脅威を強調し、終盤で支持層の結集を図ったが、選挙戦期間中の各種世論調査ではマジャル氏にリードを許していた。
トランプ大統領は、オルバーン首相を支援するため、総選挙終盤に米国のJ・D・ヴァンス副大統領をハンガリーに急派したが、最終的に政権維持には失敗した。
欧州では、オルバーン首相の退陣を歓迎する雰囲気が広がっている。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は「きょう、ハンガリーで欧州の鼓動がより力強く響いている」と述べ、「ハンガリーは欧州を選択した」と歓迎の意を示した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領も「ハンガリー国民の民主的参加とEUの価値への結びつきを示す勝利だ」として、マジャル氏に祝意を伝えた。
さらに、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相も「強く安全で、何より結束した欧州のために力を合わせよう」と述べ、マジャル氏に祝福のメッセージを送った。














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