トランプ政権、今年も科学界に大幅削減案…主要機関予算を最大55%削減へ

米国のドナルド・トランプ政権が、2年連続で主要な科学機関の予算を大幅に削減する案を提案した。分野は保健・宇宙・環境など幅広く、米国国立科学財団(NSF)の予算を最大55%削減するという。
4日(現地時間)、国際学術誌『ネイチャー』によると、来年度の連邦支出計画には、主要科学機関の予算大幅削減に加え、一部の学術誌の購読料や出版費用に連邦資金を使用することを禁止する内容も盛り込まれたという。
予算の最終決定権は議会にあるため、実際に削減が実施されるかは不透明だ。議会は2026年度予算の審議で、政権側の削減案を退け、廃止対象とされたプログラムの予算の多くを復元した経緯がある。
今回の計画の柱は、保健・宇宙・環境分野の研究機関の予算削減だ。国立科学財団(NSF)と環境保護庁(EPA)が最も大きな影響を受け、2027年の予算は現行水準から50%以上削減される見通しとなっている。国立衛生研究所(NIH)の予算も13%減少する。
予算文書では、量子情報や人工知能(AI)研究への支援は維持し、「米国がこれらの分野で最先端を維持する」と明記された。しかし、米国科学振興協会(AAAS)によると、国防総省やエネルギー省の応用研究予算が増加する一方で、NSFの基礎的な量子・AI研究予算はそれぞれ37%、32%削減されるという。
ホワイトハウスはNSF予算を約55%削減し、40億ドル(約6,358億5,600万円)に縮小する方針だ。社会科学や経済学の研究部門の予算は全額削減され、社会・行動・経済学(SBE)も廃止されるとされている。行動科学や認知科学など、政権の優先課題に関連する研究は維持され、関係職員は他部門に配置転換される見通しだ。
また、国立海洋大気庁(NOAA)の海洋大気研究部門の予算も全額削減されるうえ、NIH傘下の27機関・センターのうち、少数健康格差研究、国際研究、代替医療を担当する3機関が閉鎖される。米航空宇宙局(NASA)は全体予算の23%、科学部門予算の47%が削減され、40件以上のプロジェクトが終了する見通しだ。
惑星協会の宇宙政策責任者ケイシー・ドライヤー氏は、「科学界にとって壊滅的な出来事だ」とし、「NASAが宇宙探査分野で世界をリードする立場を維持することは不可能になる」と警告した。
出版費用に関する規定も注目される。連邦法で義務付けられている場合や事前承認を受けた場合を除き、高額な学術誌の購読料や出版費用に連邦資金を使用することを禁じた。ただし、「高額」や「過度に高い」といった基準や対象となる学術誌については明示されていない。
国際科学技術医学出版社協会(STM)のキャロライン・サットン代表は「困惑している」と述べた。AIの悪用や世界的脅威により研究の信頼性が揺らぐ中で、「質の高い査読済み科学情報への支援を削減するには最悪のタイミングだ」と批判した。
世界最大級の学術出版社の一つであるエルゼビアは、「誰もが無料で論文を閲覧できるオープンアクセスモデルをすでに推進しており、今回の規制にも対応可能だ」とした。













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